投稿日: 2017年5月17日 10:50 | 更新:2017年5月17日10:50
医療法人社団英明会 | |
顕微鏡下手術が登場した早期から脳外科手術に携わり、国内初の「プレホスピタルレコード」による脳卒中の救急医療にも貢献するなど、豊富な経験・実績を持つ大西英之理事長。「大学を卒業した頃はまだ脳神経外科自体が特殊な分野と見なされていたため、通り一遍のことをしては面白くないと考えました」として、現在の道を歩むことになった。
大西理事長は、特に技術を要する頭蓋底の手術も含め、さまざまな手術を行ってきた。技術や治療の質は、血管を縫う練習などの日常のトレーニングやさまざまな症例経験に加え、学生の頃から続けてきた登山で培われた側面もあるという。ヒマラヤにも挑戦した他、転落事故や雪崩との遭遇なども経験してきた大西理事長。その中で、「派手なことをするのではなく、ミスをしないよう一歩一歩確実に進む。危険だと思えば引き返すことも辞さない」というように、粘り強く頂上を諦めないような手術のスタイルができてきたのだという。他にも、手術の前に頭の中で仮想の手術を行い、安全な進め方やいざという時の対策のイメージを作り上げ、難しいと思ったら再度情報を整理し直す。そのような事前の準備の考え方も、登山に通ずるものがあるという。
手のふるえを起こす本態性振戦への収束超音波治療など、大西理事長はより良い治療法を模索し続けている。「登山は一般的なルートやそれ以外、季節の違いなど、頂上までの道はさまざまです。医療も同様、1つの病気を治すのに、より安全で負担の少ないルートはいくらでもあると思うのです」