投稿日: 2017年5月16日 21:31 | 更新:2017年5月17日17:38
医療法人社団 松下会
白庭病院
整形外科・脊椎センター
整形外科副院長・脊椎センター長
関 昌彦
せき・まさひこ●1986年、大阪市立大学医学部卒業。医学博士。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
小さな切開で行う顕微鏡下手術
駅のすぐ目の前にあり、アクセスが容易な白庭病院では、大阪市立大学医局出身の、脊椎治療のエキスパート2名を中心とした脊椎センターを設置している。スタッフが脊椎治療に専門化することで手技に習熟し、小さい切開や少ない出血、短い手術時間などの高度な手術を可能にしてきた。
特に心がけているのは手術の痛みへの配慮だという。「ご自身で手術が必要とわかっていても、痛みへの不安から躊躇してしまうことがあります。それで手遅れにならないように、低侵襲で痛みが少なく、最も安全と考えられる手術方法を選択しています」と関昌彦医師。その一例として、腰部脊柱管狭窄症や頸椎椎間板ヘルニアに対し、手術部位を立体的に把握しつつ行う顕微鏡下手術が挙げられるだろう。関医師は内視鏡手術と同じ18㍉の筒を使うことで約2㌢の皮切に止め、痛みの軽減に努めてきた。
圧迫骨折へのBKPや切開の小さい固定術
同院では、高齢女性に起こりやすい背骨の圧迫骨折に行う、BKP(バルーン椎体形成術)にも力を入れている。「もともと私達は、この手技の元となる経皮的椎体形成術の時から手がけてきました。圧迫骨折は骨が正しくつかなくなって痛みが続くことがあります。そうした骨の形をバルーンで整え、骨セメントで固定します」と説明する辻尾唯雄医師。わずかな切開で済み、早期退院を目指せる反面、適応の見極めや正確な治療には知識が求められる。そこに培ってきた経験が役立っているのだ。
圧迫骨折と同様、高齢者に多い背骨の疾患として、すべり症や変性側弯症が挙げられる。これらの疾患に行われる、金属のスクリューを使った椎体間固定術についても、低侵襲化を進めている。「背中を大きく切開せず、スクリューを挿入する部分だけの2㌢程度に止めます。それによって痛みを抑え、入院期間も10日程度まで短縮を目指せるのです」。その際にはX線透視装置でリアルタイムで体内を確認し、正確な手術を目指しているという。
数々の低侵襲手術を軸に、保存療法なども含めて最善の治療を選択していく同院。併設する関節センターや手の外科の医師とも連携し、全身の整形外科治療を担っていく。
- Information
- 〒630-0136 奈良県生駒市白庭台6-10-1
TEL.0743-70-0022
【診療科目】内科、外科、整形外科、脳神経外科、眼科、泌尿器科、リハビリテーション科、皮膚科、神経内科、放射線科 脊椎センター・関節センター・脳卒中センター併設
【診療時間】月~土 9:00~12:00 月~金 14:00~16:00
※曜日によって診療科目が異なります
【休診日】日・祝・年末年始
http://www.allpines.jp