• 埼玉県

医療法人社団康幸会

かわぐち心臓呼吸器病院

  • 動画あり

特化型病院の特徴を生かし、
負担の少ない心臓・血管治療を

病院へ緊急搬送後、約30分で治療に着手

 かわぐち心臓呼吸器病院は2015年、埼玉県川口市に循環器・呼吸器に特化した施設として開院。「24時間365日断らない医療」をモットーに、数ある心疾患の診断、治療に取り組んでいる。

 大動脈弁狭窄症は血液を放出する心臓の出口、大動脈弁が硬くなり、血流が妨げられる疾患。これが未曽有の高齢化社会で増えている心疾患だ。

「当院は、循環器内科、心臓血管外科、麻酔科によるハートチームで、患者様にとって最善となるような治療法をご提案しています。従来の開胸する大動脈弁置換術に加え、実施可能施設が限られる新たな治療法、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)も選択できます」と語るのは、循環器内科 心臓血管カテーテル室長の徳山榮男医師だ。

人工弁を心臓に留置するTAVI高齢者でも適用化

 TAVIはカテーテルを使い、人工弁を心臓に留置する治療法。開胸せず、足の付け根や肋骨の隙間の切開部から施術する。侵襲と身体的な負担が少なく、入院期間は1週間程度と短い。高齢者や合併症がある人にも適用できる可能性が高い。

「狭心症などの診断、評価に必要なカテーテル検査も従来と違います。以前は検査後、一晩ベッドで安静が必須でした。今では手首の動脈から検査して、約10分で終了。歩いて検査室に入り、同じく徒歩で検査室を後にします。患者さんから『もう終わったのですか』と言って頂ける検査を目指しています」(徳山医師)

不整脈発生箇所を焼き切る心筋焼灼術で治療

 循環器内科領域の不整脈・心房細動についての知見と治療に精通するのが循環器内科科長の油井慶晃医師だ。

「心房細動は自覚症状がなく、病状が進行し、脳梗塞や心不全といった致死的な状態にまで進むことがあります。治療は不整脈の発生箇所を焼き切る心筋焼灼術などを選択します」(油井医師)

心臓・大動脈手術は限りなく低侵襲を目指す

 「病気が重症化して侵襲の多い開胸手術をするよりも、検査などで早期に発見し、体に負担の少ない手術を受けていただくのが私の理想です」と、同院の中枢、心臓血管外科を率いる、部長の金森太郎医師は語る。

 右胸脇から手術をするMICS手術、胸やお腹を切開せず、カテーテル操作で大動脈瘤の内側に人工血管を留置するステントグラフト内挿術など、創の小さい低侵襲手術に卓越している。特に心臓弁膜症へのMICS手術は、3D立体カメラを用いた完全内視鏡下なので、術後の創がほぼ目立たないのが特徴だ。最近では体の負担の少ない手術やセカンドオピニオンを求め、県内外からの来院が増えているという。

  • 2021年12月に新設されたカテーテル室

「さまざまな手術法を持つからこそ、患者さま一人ひとりに適した治療法を提案できるのが、当院の強みです」(金森医師)

 冠動脈バイパス手術のエキスパート、心臓血管外科の山中将太医師は「診療のスピーディーさが持ち味、今日入院して明日手術可能です」と語る。「バイパス手術も小さな切開部で行うMICS手術が可能で、骨髄炎の心配がありません。若い方は早期社会復帰が、高齢者の方は低侵襲に治療ができます。循環器内科との連携により、カテーテル治療と融合したハイブリッド冠動脈バイパス手術も行えるのが当院の特徴です」(山中医師)

取材・文/星裕一朗

循環器内科科長

油井 慶晃

ゆい・よしあき●日本医科大学卒業。日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本老年医学会認定老年病専門医。

心臓血管カテーテル室長

徳山 榮男

とくやま・ひでお●日本医科大学卒業。日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医ほか。

心臓血管外科科長

山中 将太

やまなか・しょうた●愛知医科大学卒業。3学会構成心臓血管外科専門医認定機構認定心臓血管外科専門医。

心臓血管外科部長

金森 太郎

かなもり・たろう●金沢大学医学部卒業。日本外科学会認定外科専門医。日本心臓血管外科学会認定心臓血管外科専門医。

医療新聞社
編集部記者の目

 熱いハートとクールな頭脳ーー同院を端的に言い表すなら、この言葉に他ならない。
 取材当日も、遠くで鳴るサイレンが次第に同院に近くなる。心疾患の患者が救急車で次々に運ばれてくる。
 取材中の金森太郎医師の携帯電話にも、対応可能かどうかの連絡が入る。
「はい、わかりました。こちらで引き受けます。よろしくお願いします」と顔色ひとつ変えずに対応する。その冷静沈着ぶりに驚いた。だが、心疾患治療に取り組むパッションは熱を帯びる。
 熱いハートとクールな頭脳ーー同院を端的に言い表すなら、この言葉に他ならない。
 取材当日も、遠くで鳴るサイレンが次第に同院に近くなる。心疾患の患者が救急車で次々に運ばれてくる。
 取材中の金森太郎医師の携帯電話にも、対応可能かどうかの連絡が入る。
「はい、わかりました。こちらで引き受けます。よろしくお願いします」と顔色ひとつ変えずに対応する。その冷静沈着ぶりに驚いた。だが、心疾患治療に取り組むパッションは熱を帯びる。
「うちは単科病院ですからね。素早くチームを組んで早く的確な治療ができる、小回りの効く病院なのです。心疾患治療で大きな病院には決して負けません」(金森医師)
 頼もしい言葉が治療に挑む患者に勇気を与えている。

Information

医療法人社団康幸会

かわぐち心臓呼吸器病院

ホームページ

【診療科目】循環器内科、心臓血管外科、呼吸器内科、内科、外科、
     リハビリテーション科、救急科、麻酔科(池﨑弘之)
【病床数】 108床(ICU7床、HCU4床)

【診療時間】月~金 9:00~12:00/13:30~17:00
      土 9:00~12:00
      ※24時間365日救急随時対応
【休診日】 土午後・日・祝・年末年始

〒333-0842
埼玉県川口市前川 1-1-51

TEL.048-264-5533 

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