科学的根拠に基づく質の高い治療を提供

　男女を問わず、薄毛に悩む人は少なくない。日本皮膚科学会の『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン２０１７年版』には「25年前の本邦における男性型脱毛症の統計から、日本人男性の発症頻度は全年齢平均で約30％と報告されている。この発症頻度は現在もほぼ同程度」と書かれている。実に若年層を含む男性10人のうち３人が薄毛に悩んでいるわけだ。

「人知れず薄毛に悩む患者さんを、エビデンス（科学的根拠）に基づく医療で、なんとか治してあげたいというのが私の願いです」と力強く語るのは親和クリニック（本院：東京・新宿）の音田正光総院長だ。

　同クリニックでは前述の『診療ガイドライン』を参考に高いレベルで科学的に効果が実証された治療を重要視し、根拠が弱い、あるいは効果が、きちんと実証されていない治療は排除する。

「患者さんの悩みに耳を傾けながら、頭皮や毛髪の状態、患者さんの希望などを踏まえ、一人ひとりに合ったオーダーメードの治療を選び抜いています」

と続ける。言葉の端々から何より患者を大切にする「患者ファーストの精神」が伺えた。音田総院長は「毛髪もまた一つの臓器」と捉え、長年培ってきた経験と技術、新しい知見を生かし、緻密さが問われる薄毛治療に取り組んできた。『ガイドライン』が推奨する複数の選択肢から、その患者にとって適切な治療を提案している。

　２０１４年、東京・新宿に親和クリニック（本院）を開設。銀座、名古屋、大阪、福岡といった主要都市にも分院を構え、今や本院・分院合わせて月間約２８０人※1もの患者が来院する医療機関へと発展。年々、存在感が高まっている。

　音田総院長率いる医師チームはプロフェッショナルぞろい。薄毛治療のスペシャリストたちが全国各地の分院を飛び回り、どこでも同質の治療が受けられる体制を整えた。
　薄毛はこれまで、発症の原因が究明されておらず、治療法が確立されているわけでもなかった。そうした中、科学的な根拠を持った治療の選択・提供に徹底してこだわってきた同クリニック。的確な診断・治療と患者ファーストの姿勢に筆者も感銘を受けた。

不安解消を目指しチームで伴走する

　患者をサポートしているのは医師だけではない。本院・分院を合わせて30人ものカウンセラーが、悩める患者一人ひとりに寄り添い、治療前から治療後のフォローまで温かなサポートを行っている。

　開院当初からカウンセラーを勤める渡辺氏はこれまで約4000人※2以上の悩みに対応。日々、患者の思いと真摯に向き合っている。「ほとんどの患者さんは誰に相談したらよいかわからず悩まれていますから、カウンセリング前は緊張されていることも多くあります。そんな患者さんに対し一方的に治療法の説明をするのではなく、打ち解けた会話ができるように気を配っています」と渡辺氏は話す。

　会話がはずめば、悩みや要望なども伝えやすくなる。親身なコミュニケーションによって、しっかり時間をかけて患者の希望をヒアリングしていく。

• 落ち着いて過ごすことのできる待合スペース

ホスピタリティに溢れ患者は全国から

　患者層は親と一緒に来院する若い世代から、家族に内緒で訪れる中年の方までさまざまだ。男性だけでなく女性患者が受診するケースも多い。それぞれ異なる事情を抱えた一人ひとりに合わせた、適切な治療方針を決定していくのが特徴だ。医師、看護師、カウンセラーらによるチーム医療体制で、患者を支えている。

　治療後には看護師による洗髪指導も行っている。実際に患者の髪の毛を洗いながら、洗髪の際に気をつけることを丁寧に教えている。患者の生き生きとした様子を見ることが、スタッフたちのやりがいにもつながっている。

　設備面やサービス面にも患者への思いやりが詰まっている。待合スペースはゆったりとした雰囲気で患者を出迎える。カウンセリング室は個室となっており、率直な思いを話しやすい。

　全国各地から患者が集まっており、特に交通至便な新宿院には、東北や北陸からは新幹線で、北海道や沖縄からも飛行機に乗って訪れている。驚くことに遠方から来る方の負担軽減のために、交通費や宿泊費を一部補助している。

　今年の秋で開業から10年目を迎える親和クリニック。質の高い治療と患者ファーストの精神を貫き確かな歴史を刻んできた。

※1 新宿院・銀座院・名古屋院・大阪院・福岡院で2022年10月～12月　※2 2014年10月～2022年12月

文／岡林秀明