しばファミリークリニック

栃木県

しばファミリークリニック

自宅での療養を望む
患者の心に寄り添い
力になるために日々奮迅

大学病院で呼吸器外科医として研鑽を積む

　栃木県宇都宮市にある「しばファミリークリニック」はJR宇都宮駅からバスで約20分、住宅街の一角にある。薄茶色のタイル外壁が、院の重厚感を醸し出している。

　「大学病院での勤務医時代、患者さんが自宅に戻りたいと訴えても、症状が不安定などの理由で在宅療養が叶わず、病院で亡くなる方が少なからずいました。それがとても心残りだったのです」と話すのは、同院の柴野智穀院長。自治医科大学附属病院に呼吸器外科医として勤務した後、2022年に同院を開院した。

　「がん患者さんの緩和ケアや終末期医療、お看取りを含め、自宅での療養を望む患者さんの心に寄り添い、お力になりたいと思い、日々、訪問診療しています。付き添いがいないために受診できない、経済的に困窮して在宅医療が受けられないなどの理由で、お困りの方が少なくありません。そうした方々の受け皿として地域医療に貢献したいのです」

原因不明・専門外でたらい回しにされる医療の隙間をなくす

　柴野院長は呼吸器外科医として学んだことを訪問診療でも十分に活かしている。

　「特にご高齢の方は、食べかすや逆流した胃液などが気管に入る誤嚥性肺炎が懸念されます。そのため、食べ物を飲み込み、口から胃へと送る嚥下には細心の注意を払っています。高齢になると、嚥下の際に声帯が閉じず、誤嚥しやすい。それを防ぐ方法として顎を引いた飲み込み方などをお教えしています」

　訪問診療および外来も含め、同院は何でも相談にのるクリニックを目指している。

　「当院には訪問診療専従の看護師を置いていません。医師が全ての電話を直接受けます。即座に相談にのれますし、緊急治療が必要な方に対し、素早い対応が可能だからです。現状、ある科目で原因が分からないと、専門外としてたらい回しにされてしまうケースもあるかもしれませんが、そうした、患者さんが行き場を失ってしまう“医療の隙間”をなくすために、私は自分の専門外でも親身な診療に努めています」

院長

柴野智穀

しばの・ともき●鳥取大学医学部医学科卒業。自治医科大学呼吸器外科助教、自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器外科副診療科長、自治医科大学呼吸器外科非常勤講師を経て、現職。

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