自然体で患者第一の姿勢に 優秀な医師たちも集う

　たにかわ眼科グループの創設者は、30年以上にわたり眼科診療に携わる谷川弘医師。その後を継ぎ理事長となった片桐美和医師が院長を務めるのが、さいたま市、ＪＲ南与野駅近くの「南与野たにかわ眼科」だ。網膜硝子体治療の拠点として２０１２年に開院し、日帰り可能な白内障や緑内障などの低侵襲手術も行っている。

「検査だけでなく手術もしっかり行う、一貫した診療が特色です。患者さんのご希望に極力応え、来てよかったと通い続けていただけるよう心掛けています」（片桐院長）

　患者の自宅への送迎など、術前後のフォローも充実。毎日の診療もそうだが、患者ファーストな体制を貫く。それも「谷川先生の姿勢に賛同した人たちが集い、各自が最大限に力を発揮しようとしてくれるおかげ」と片桐院長。自然体で患者に喜ばれる取り組みを続けてきた結果なのだ。医師同士も気軽に治療の相談ができ、さまざまなことが学べる環境。その評判にまた医師が集まる好循環も生まれた。

　２０２3年の秋には金原左京医師が入職。慶応大理工学部・福井大医学部を卒業し、東京大大学院・国立がんセンター東病院・順天堂大大学院での研究経験を持つ異色の経歴だ。

「円錐角膜の早期発見・早期治療への応用が期待される臨床研究を、現在も継続中です。研究で培ってきた論理的思考を、一般眼科外来と網膜硝子体手術にも活かしています」（金原医師）

小児近視対策にも注力し 待望の自由診療を導入

　スマホやタブレット普及の影響もあり、近年、小児の裸眼視力低下が問題だ。成人時の強度近視にもつながるため、日本眼科学会でも早期発見、進行抑制の動きがある。

　たにかわ眼科でも昨年秋からこの取り組みにより力を入れ、南与野では高橋麻穂医師を中心に診療に当たっている。

「保険診療の眼鏡処方と視機能訓練に加え、新たに自由診療を始めて選択肢を広げました。その一つ、『オルソケラトロジー』※1は、ハードコンタクトレンズの装用により角膜を平坦化して裸眼視力を改善するもので、小児の分野には近年導入されました。お子さんごとに特注したレンズを就寝時に付けることで、約２週間後には効果が自覚できます。いずれの治療も、丁寧に説明した上で実施します」（高橋医師）

　今回の開始後すぐに、新たな治療を始めた患者も多いという。お子さんの視力低下が心配なら相談してみてほしい。

• 左から、小児近視について話してくれた高橋麻穂医師、医療法人康久会の理事長も務める片桐美和院長、昨年入職した金原左京医師

眼内レンズ選びでも 患者と徹底的に向き合う

　グループで最も新しい医院が、2018年開院の「たにかわ眼科クリニック 本庄早稲田の杜」だ。日大医学部出身の堀眞輔医師が院長を務め、「断らない治療」「待たせない治療」を標榜。日帰り可能な低侵襲手術を、年１０００件超※２のぺースで実施する。特に堀院長は白内障治療用の眼内レンズに造詣が深く、個々の患者に適した選択に至るようアシストを惜しまない。

• 本庄早稲田の手術室。眼科椅子は現在２台だが、将来の増設を見越し広大な空間を確保している

「自由診療の多焦点レンズ※３を入れ、眼鏡なしの生活を謳歌する方もいれば、光がまぶしく見えるハローグレアが出ることもあるし、保険適用の単焦点で遠くを見る時は眼鏡が最適という場合も。希望の見え方をよく伺い、各レンズの特性も徹底的に説明します。その上で患者さんが悩みに悩んで出した結論なら、必ず自身で納得できる正解になるんですよね」（堀院長）
　患者に寄り添う精神は各医院に自然に浸透している。

文／飯塚哲

※1…治療費は、検査費用、両眼のレンズ代などを含め初年度で15万円程度

※２…2019年～2022年の実績


※３…選定療養費用 40万円～75万円（片眼・手術費用込み）