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関節の除痛と安定性を重視し、
より良いインプラントの研究・開発を追求


貴志川リハビリテーション病院 人工関節部門
 
こんどう・まこと
副院長 近藤 誠 先生
 
【経歴】
医学博士。神戸大学医学部卒業、神戸大学大学院修了。香芝旭ヶ丘病院、大分大学医学部附属病院、新別府病院、中之島いわき病院を経て現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
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良好な治療成績から生じた新たな懸念にも、真摯に取り組む

 長年にわたり、より良い人工膝関節の研究・開発に力を尽くしてきた貴志川リハビリテーション病院人工関節部門の近藤誠医師。人工関節置換術の一番大切な目的に除痛を、二番目に関節の安定性を、その次に良好な可動域の実現を挙げる。「痛みを感じず、良く曲がることを目指しつつも長期にわたって不都合の生じない、安定した膝関節を提供することが重要です」
 
kishikawa2 元々、近藤医師は膝関節や股関節をはじめ、脊椎、手など幅広い部位を診療の対象としていた。人工膝関節置換術においても良好な治療成績を達成していたが、治療で膝関節が曲がりすぎるようになった場合、磨耗や弛みが発生しないか危惧し始めたという。そこで人工膝関節の世界的な大家であったDr.Insallが来日した際に質問を投げかけ、最終的にはニューヨークまで大量の治療例のレントゲン写真を持ち込み、自らの懸念を伝えた。興味を持った彼やDr.Galanteは数ヵ月後、近藤医師の手術を視察しにくることになる。注目を浴びた近藤医師のもとには、以降インプラントや術前計画ソフト開発への協力要請が増え、徐々にその専門を膝の分野に絞ることとなったという。
 
 近藤医師は印象に残っている治療に、大分で手術した患者を挙げる。「佐伯市近くの離れ小島に住む、漁業を営む80代の女性でした。術後1年程経った頃、関西に移っていた私のもとへ杖も持たず『先生に今の状態を見せたかった』と一人で訪ねてきてくれたのです。今では接岸した船にぽんと乗り移れるようになったと聞き、嬉しかったと共に、ご高齢にも関わらずお一人でお出でになったことに大変驚きました」

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