【膵がん】名医や病院ランキングを紹介


【膵がん】名医や病院ランキングを紹介

膵がんについて
膵がんは、早期発見が難しく、進行がんとして診断されることが多い難治性のがんです。しかし、近年においては、手術の安全性が向上し、化学療法との組み合わせによる集学的治療の進展により、治療成績が向上しています。手術技術の進歩により、以前には切除不能とされていた膵がんにおいても、切除可能な症例が増加しています。
疾患の特徴
症状が出にくく、早期の発見が難しいがん
膵臓に生じる膵がんは、胃の背面に位置するため症状が現れにくく、進行が速いため、早期発見・治療が難しい難治がんとして知られています。現時点では明確な原因は特定されていませんが、糖尿病を突然発症した場合や既存の糖尿病における急激な血糖値の制御不能が膵がんの兆候である場合があります。他にも危険因子とされているものに、喫煙、飲酒、肥満、家族歴などがあります。家族歴では二親等以内に膵がんになった家族がいる場合、発症リスクが数倍高くなるといわれています。CT検査や超音波検査で膵嚢胞(液体が充満した袋状の病変)が発見されると、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)など、膵がんの進行可能性が高い状態にあるため、専門医による適切なフォローアップが重要です。膵がんの浸潤性膵管がんの中で、嚢胞から発症するものは全体の約10%程度とされています。また、慢性膵炎のような膵疾患にも注意が必要です。
膵がんをくまなく確認するためには、CT検査やMRI検査が必要です。1cm未満の病変は検出が困難ですが、2cm以内の段階で診断されるがんの検出に有用です。何らかのリスクを抱える方には、40歳になったら一度CT検査やMRI検査を受けることをお勧めします。なお、1cm未満のがんを検出する際には超音波内視鏡が有用ですが、頻繁に行われる検査ではないため、リスクがある人やCTやMRIで異常が見られる人に主に実施されています。
危険因子となる慢性膵炎の症状

危険因子となる慢性膵炎の症状

主な治療法
手術法の多様性と治療の革命的進歩
膵がんの患者さんの半数は、手術ができない段階まで進行した状態で発見されます。また手術を受けたとしても、進行がんが大半のため、術後の5年生存率は10 ~30%程に限られていました。しかし、過去10年間における手術技術の安定性と化学療法の進歩により、膵がん治療は著しい進歩を遂げています。
治療は、手術療法、化学療法、放射線療法の三本柱から成り立ち、最近では切除の可能性を基準にする切除可能性分類が提唱されています。
切除可能となった場合は、がんの位置・範囲に合わせた切除をします。膵頭部であれば膵頭十二指腸切除術を、膵体尾部中心であれば膵体尾部切除術、まれに膵全摘術が行われます。
2020年に保険適用になったロボット支援手術は、手術の精度や安全性が高く、術後の回復が早いことが期待されています。
切除可能境界の場合、通常は化学療法が選択され、その後手術が検討されます。切除可能な境界であっても化学療法の適切な使用により、がんの縮小と根治切除率の向上が期待されます。さらに、細胞レベルでの遠隔転移巣の除去も可能性として考えられます。
切除不可能ながんでは、化学療法もしくは、抗がん剤治療や放射線治療を組み合わせた化学放射線療法が行われます。まだ症例数は少ないですが、これらの化学療法で手術ができる程度まで、がんが縮小するケースもあります。加えて、切除可能か否かの境界にある、もしくは切除しても予後が悪い、切除境界線がんもあります。
近年注目されているのが、膵がんの切除における進歩です。これまでの標準治療は、手術をし、術後に抗がん剤治療を行うというものです。近年の臨床試験により、術前にも抗がん剤治療を行ったほうが、予後が良いという結果がでました。切除可能な膵がんに対しても、抗がん剤治療から始めるという流れがみられるようになってきました。
抗がん剤治療も進歩し、より効果的な薬剤が登場。切除不能とされた膵がんに対して、抗がん剤が効果的で手術が可能となる例も増加しています。
治療法の種類
手術
◎膵頭十二指腸切除術
◎膵体尾部切除術
◎膵全摘術
抗がん剤治療
切除が困難な場合や、再発防止を目的に術前・術後に行う場合がある
化学放射線治療
抗がん剤治療に放射線治療を組み合わせ、治療の効果を高める

主な治療法

医療機関選びのポイント
POINT1 日本肝胆膵外科学会が認定する高度技能専門医及び指導医の在籍
肝胆膵外科領域における専門的な知識、高い倫理性と修練された技能を備えた医師であることを認定する制度です。高度技能専門医は、高度技能指導医の指導のもとで経験を積み、高難度肝胆膵外科手術の実績数が要求されます。高度技能指導医は、肝胆膵外科領域で幅広い知識と経験を持ち、指導能力と意欲を備えた医師です。
POINT2 肝胆膵全体で年間30~50件の症例数が目安に
肝胆膵がんの手術を年間30~50件以上行っている施設では、手術の技術や経験が豊富で、術後の合併症の発生率や術後回復のリスクが低い傾向にあると考えられています。
POINT3 病理専門医やがん薬物療法専門医の在籍もチームの質の目安に
膵がんの治療を検討している場合は、病理専門医がん薬物療法専門医が在籍している施設を選ぶことも大切です。チーム医療が充実している施設では、患者さんの病状や体力、全身状態などを総合的に判断して、最適な治療方針を決定することができます。
※『名医のいる病院2024』(2023年12月発行)から転載

膵がんの名医について
名医インタビュー
膵がん治療のトップランナーが、これまでの実績、最新の治療法や研究などを語っています。
名医リスト
肝胆膵がん治療で活躍し、「名医」として評判の高い医師について徹底独自調査を実施。その結果をもとに全国の肝胆膵がんの名医58人をリストにてまとめました。膵がんの可能性を指摘されその診断や今後の治療法について不安に思っている方、膵がんを患い現在の医師の治療法に疑問を感じている方、いざというときの備えとして確認しておきたい方などにご利用いただき「不安の解消」の一助にければ幸いです。

膵がん治療の医療機関について
膵がんセンター
膵がんセンターは院内の各診療部門が連携して、膵臓等の疾患を診断、治療する診療拠点です。

治療実績ランキング
全国の医療機関4,424病院への独自のアンケート調査(1年間の手術・治療実績)に基づく膵がんの全国・地方別の治療実績ランキングです。名医リストと同様に病院選び・医師選びにご利用いただき「不安の解消」の一助にければ幸いです。
注目医療機関
膵がん治療に注力している医療機関へのインタビューです。
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