【名医からのメッセージ~トップランナーが語る半生】002 大圃 研(消化管内科)第7回

【名医からのメッセージ~トップランナーが語る半生】002 大圃 研(消化器内科)第7回

各領域のプロフェッショナルである「名医」へ、その生い立ち、医師になったきっかけ、実績、そして未来へのメッセージをインタビュー。 
 
一般生活者へ最新医療を啓蒙、医師へのメンタルブロック解消により病院や医師選びの選択肢の拡大を実現し、個々にとっての最適な医療の受診につなげることを目的にしています。
2人目は消化器内視鏡治療におけるプロフェッショナル 大圃研先生(NTT東日本関東病院 消化管内科部長・内視鏡部部長)です。
8回にわたるシリーズの7回目は「私の現在位置と未来について」になります。

第7回:目の前のことをひとつずつ
世界中から内視鏡を学びたい医師が来ています
—Facebookではたくさんの投稿がありますね
はい、今や常時5人から10人の方が学びにきていますね。
欧米、中南米、アジアなど世界中からです。
この前は15人くらいいて、我々のメンバー数を超えるくらいとなり、すごい状態でしたね(笑)。
海外スタッフへのレクチャー
海外スタッフへのレクチャー
元々はコロナのときに動画の教科書を作りたいという思いがあって、エンドサロンを作ったのがきっかけです。
「大圃流」となる書籍を医師、看護師など各医療者向けに4、5冊は作ったのですが、やはり内視鏡は動画で説明するほうが伝えやすく、また学会等での発表動画では良いところのみであったり、内視鏡画面のみであって術者の姿など現場のすべてを伝えてはいなく、臨場感をもって伝えていきたいとの思いがありました。
我々の動画ではさまざまな機器を試行錯誤を繰り返しながら改善かつ増やしていき、内視鏡画像に加え、実際の音声や術者の姿など多面モニターからなる動画で形成しています。また合併症発生時の動画などさまさまな症例がアップされていて、内視鏡のすべてを伝えるように努めています。
始めた頃は、批判めいた意見もいただいたこともあったのですが、新しいことを先にやることは意義があると考え、気にせず進めていきました。今や動画は500本を超え、新たなチャンネルもできたり、世界中の医師の方々が内視鏡動画を投稿していただいたりして、ひとつの「内視鏡動画の世界的な教科書」になってきています。
そして、この「教科書」を見て、実際に現場で学びたいとの思いとなって、世界中から多くの方がやってきています。
世界中の仲間たちと
世界中の仲間たちと
目の前のことをひとつずつ
—今後注力したいことは何かございますか
とくにないですね。
「この先どうするんですか」とよく聞かれるのですが、そのような「長期的なビジョン」を描いてやったことはありません。
目先のことで、自分でこうしたらやれるんじゃないか、っていう道筋が作れるものは短期目標としてやっていっています。例えば、エンドサロンの人を増やしたいとか、海外の協力者を増やしたいとかですね。
目の前にはいろんな山が見えてくるので、興味があればどんどん、どんどん登っていく。 そんなイメージです。
登って登って登って、最後にどうだったかなと見返したら、結構高くまで来たもんだなというように、結果的にそこにたどり着くというものであって、先に目的があってそこに向かっていくんじゃないと僕は思ってるんですよね。
少なくとも僕はそういうビジョンを持ってやったことはないから、ただ目の前のことを夢中でやっていくと、いろんなチャンスとかが降りてきて、気づいたら、そういうステージに上がったっていうだけです。
海外からの人は、今では常時5〜10人くらいはいますが、10年、15年ぐらい前に、とにかく海外の人がうちの病院に見学に来てくれるような、そんな病院になりたい、そんな施設になりたいって、ずっと思っていたんです。
海外の人に来てもらうために苦労していろんなことをやりましたがなかなか実現できなかった。でも、そういう短期的な目標があって、それはすごい時間かかったけど、ようやく実現できたと思っています。
大圃組と海外スタッフ
大圃組と海外スタッフのみなさんで
—最終回の8回目は「次世代へのメッセージ 次の人へ」になります。
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