投稿日: 2019年8月27日 10:53 | 更新:2019年8月27日10:53
浜田山病院
院長 小瀬 忠男
おせ・ただお●1988年、東京慈恵会医科大学卒業、同大学整形外科教室に入局。東京慈恵会医科大学附属青戸病院整形外科医長、総合川崎臨港病院整形外科部長などを経て、現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
──超高齢社会の到来に伴い、首や腰、関節の痛み・障害を訴える患者が増え続けている。そうした整形外科の診療に特化し、年間2024件(※)もの手術実績を重ねているのが、東京都杉並区の浜田山病院だ。都内有数の実績の背景や診療にかける意気込みなどについて、小瀬忠男院長に話を聞いた。 ※2018年1月〜12月
──どのような治療が主に行われているのでしょうか
首や腰などの脊椎脊髄疾患の手術をはじめ、股・膝関節の人工関節置換術や臼蓋回転骨切り術、肩関節のリバース型人工肩関節置換術、関節鏡を用いたスポーツ整形、内視鏡手術・前十字靭帯再建、手の外科、骨粗しょう症の治療など、整形外科全般の治療を提供しています。中でも多いのが脊椎脊髄疾患で頸部痛や背部痛、腰痛、手指巧緻障害、下肢の痺れ、側弯症などに幅広く対応しています。またそれぞれを大学病院で活躍する医師など、各分野のエキスパートが担当しています。
──受診から診断までどのくらいかかるのでしょうか
当院では受診したその日のうちにCT・MRIなどの画像診断を行える体制を整えています。患者さんからすれば、早く検査を受けて、検査の結果や治療方針まで知りたいと考えるのが当然です。一度の来院で治療方針まで決定すれば、患者さんの負担軽減にもつながります。
──治療において重視していることを教えて下さい
患者さんにとっては一生に一度の手術。だからこそ、長期成績と負担軽減にこだわっています。3D‐CTやMRIなどの画像診断で正確な術前評価に努め、また術中もCT撮影データを用いたナビゲーションシステムや、脊髄を刺激して脊髄機能をモニタリングする脊髄誘発電位測定などを活用し、正確性の向上や合併症の抑制を追求しています。 そのうえで症例によっては、切開範囲を最小限に抑えて早期回復・社会復帰が期待できる、低侵襲な術式も選択しています。
──「決して患者さんを断らない」姿勢が注目されています
他院で治療を断られた症例の治療や、宗教上の理由で輸血が難しい方への無輸血手術などにも積極的に取り組んでいます。術前の自己貯血に加え、術中の自己血回収システムも導入し、全手術において、輸血の必要はありません。他院からのご紹介が多いのも、そうした理由からでしょう。
──充実したリハビリにも定評があります
整形外科の疾患・障害は痛みや痺れなどを伴い、筋力の低下を招くことが少なくありません。例え最高水準の手術を行っても、患者さんの回復のために必要なことの半分しか満たせてなく、日常生活に円滑に復帰するためには術後半年程度、状態に応じたリハビリテーションを行うことが不可欠です。その点、当院には総勢16名と熟練のリハビリスタッフが揃い、入院中から退院後の外来までシームレスで、オーダーメードのリハビリを提供し、患者さんがしっかり回復するまで寄り添っています。
──患者さんに向けて、最後に一言お願いします。
これからも患者さんが今後何十年間しっかりと生活できる、明確なビジョンを持った診療を心がけ、日本一の手術と充実したリハビリ、その両方をお届けできるよう、全力を尽くします。