投稿日: 2017年5月17日 17:20 | 更新:2017年5月17日19:45
医療法人幸生会
琵琶湖中央病院
院長 髙橋 伯夫
たかはし・はくお●京都府立医科大学卒業。同大学臨床検査医学講座講師、准教授を経て、1993年関西医科大学臨床検査医学講座教授に着任。2010年同大学附属滝井病院病院長、15年より同大学名誉教授、琵琶湖中央病院院長。
琵琶湖中央病院は回復期のリハビリテーションに特化し、理学療法士78名、作業療法士33名、言語聴覚士9名と、総勢100名を超える医療スタッフが集う。骨折や脳卒中の患者を中心に、地域の医療機関だけではなく、近畿全域から患者の紹介を受けており、「患者がスムーズに在宅へ復帰し、安全かつ長く家庭で生活する」ことを目標としている。そこで患者一人ひとりの生活環境や、症状の要因を分析し、リハビリ計画に活用しているという。「患者の生活環境に配慮した、きめ細かなリハビリプランの構築が重要です」と同院の髙橋伯夫院長。
リハビリの内容は理学療法や作業療法、言語聴覚療法、摂食機能訓練などが柱となる。その上で階段の昇降や食事など、患者が在宅復帰した際に必要となる日常の動作の訓練にも力を入れている。在宅復帰後の生活を見据え、必要に応じて患者やその家族と共に医療スタッフが患者の自宅を訪問。家族に対して患者の介護方法を指導したり、生活する上での注意点をアドバイスしたりするなど、患者のフォローアップを身体機能面、環境面の両方から追求している。
「リハビリテーションが必要な時期に、必要な量で、質の高い内容を提供できるよう努めています。その為に筋機能評価機器などの機器を積極的に導入し、効果判定を行い、エビデンスに基づいた治療を心がけ実践しています。また、卒後教育にも力を入れ、専門の知識や技術を生かし、チームでの総合的なリハビリテーションの提供を目指しています」(荻野寛子作業療法士)。
同院では、リハビリスタッフの他にも、さまざまな職種の医療スタッフが患者の支えとなるべく、全力を挙げている。「リハビリと看護のスタッフが患者一人ひとりの日常生活動作(ADL)の評価を詳細にまとめ、共有しています。その情報の連携をもとに、病棟でも手すりを使った立ち上がり訓練やトイレなどの日常生活動作の訓練が可能です」(比嘉絵里香看護師)。同院は訪問リハビリと通所リハビリを有し、退院後も数ヵ月にわたり集中的なリハビリを継続できる。自宅から距離が遠く、通院が難しい場合は、介護支援専門員が相談にのり、必要な訓練などを提案。また入院時からソーシャルワーカーが患者の社会復帰、復職を親身になって全面的にバックアップしている。「患者さんの人生を総合的に捉え、スタッフが一丸となってサポートします」(藤田晃司部長)。こうした医療体制のもと、同院では実に90%もの在宅復帰率を達成しているという。
同院の目標は、今後も幅広い患者をより早期から受け入れること。「交通外傷や脳挫傷で高次脳機能障害となった患者さんに対し、急性期の治療が終わればすぐに受け入れ、病態にあったリハビリを提供します」と浅井哲副院長は意気込みを語る。「当院は、2016年7月より日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医の加藤洋医師を部長に迎え、リハビリの一層の充実を図るとともに、11月にはリハビリ研修施設として認定を受けました」と髙橋院長。これからも同院は、病院前に広がる「めぐみの源・マザーレイク(琵琶湖)」のように、地域住民のよりどころとなる存在であり続けるに違いない。
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〒520-0834 滋賀県大津市御殿浜22番33号
TEL.077-526-2131
FAX.077-521-0676
【診療科目】内科、循環器内科、消化器内科、血液内科、神経内科、
整形外科、脳神経外科、リハビリテーション科
【診療時間】月〜土 9:00〜12:00
*午後専門外来あり(詳細問い合わせ)
【休診日】日・祝
【病床数】180床
※回復期リハビリテーション病棟130床(入院料施設基準1. 80床含む)
療養病棟 50床
http://www.biwako-chuo-byoin.jp/