投稿日: 2017年5月17日 17:40 | 更新:2017年5月17日20:23
一般財団法人 操風会
岡山旭東病院
どい・もとゆき
副院長 土井 基之
「痛みの軽減」を重視しHTOを積極的に行う
岡山旭東病院は脳・神経・運動器疾患に特化し、迅速な検査・治療からリハビリテーションまでシームレスな医療を提供している。「できるだけ早く痛みを取り、もとの生活に戻れるように全職員で取り組んでいます。高齢の患者さんの場合、安静にしている時間が長引くと体力が低下し、肺炎や認知症のリスクも高まります。術後早期からのトレーニングが重要です」(土井基之副院長 )。同グループ内には岡山リハビリテーション病院があり、必要な場合は術後のサポートを受けることができる。
変形性膝関節症の治療に関し、同院には強いこだわりがあった。このことは年間(2014年1月〜12月)の手術件数からもはっきりと読み取ることができる。HTO(高位脛骨骨切り術)49件、UKA(人工膝単顆置換術)36件、TKA(人工膝関節置換術)34件、つまり、侵襲の少ない手術ほど件数が多いのだ。中でも実施する医療機関が限られたHTOを積極的に行っている点は同院の特徴をよく示している。
変形性膝関節症の患者の多くは膝の内側の軟骨が擦り減りO脚となっている。HTOは、摩耗と変形が進む変形性膝関節症に対し、下肢の姿勢をO脚からX脚に矯正することで膝の内側にかかる負担を軽減し、痛みの改善に導く手術方法である。特徴は人工関節のように関節内に異物を用いる必要がないため、以前の活動性を維持し、登山、テニスやゴルフといったスポーツへの復帰を期待できることである。
侵襲の少ない方法から段階的に治療法を検討
「患者さんに知っておいていただきたいのは、人工関節置換術以外にも選択肢があるということです」(整形外科・横山勝道主任医長)。関節内部の浮遊物や半月板、軟骨のはがれた部分を取り除く関節鏡視下手術は特に負担が少なく、軽度から中程度の疾患を対象に痛みの改善を期待できるという。「それで痛みが取れなければ次の方法を選択することもできます。最初から侵襲の大きな手術を行うのではなく、負担の小さな方法から段階的に進めます」
HTOの適応とならない場合は、関節のすり減った部分(片側)だけを置き換え、靭帯を温存でき、膝関節の可動域が保たれるUKAを検討する。TKAについてもMIS(最小侵襲手術)を採用し、できるだけ負担の少ない治療を心がけているという。
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【診療科目】脳神経外科、整形外科、リウマチ科、神経内科、内科、循環器科、形成外科、リハビリテーション科、麻酔科(安川毅)、放射線科
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