- 大阪府
医療法人 徳洲会
岸和田徳洲会病院
- 動画あり
消化器がんに適応するお腹を切らずに
治す内視鏡手術ESDを離島でも
救急と高度な技術で地域の医療を支える
大阪は泉州地域の医療を力強く支えているのが岸和田徳洲会病院だ。来院患者数は年間33万人※。24時間365日の救急医療体制をとり、急性期医療の中核を担うとともに、最先端の医療機器を取りそろえた高度な医療を提供している。さらに地元のみならず、離島・僻地へ積極的に医師を派遣し、診療応援に注力している。このような充実した診療体制が評価され、2018年には国際的な医療機能評価であるJCI認証も取得している。
同院のなかでも西日本有数の診療実績を上げているのが消化器内科だ。消化管出血や急性膵炎などの救急症例に対する救命率向上に寄与しつつ、定評を得ているのが、内視鏡を用いた胃・食道・大腸を中心とする消化器疾患の検査・治療だ。内視鏡検査数は年間約1万9000件※に上り、関西屈指の数を誇る。
「離島・僻地など応援先での実施も合わせると、検査数は年間約3万6000件※。それに伴い、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)による早期がんの切除件数も、同院と応援先含め年間約560件※で、がんの早期治療を実現しています」と話すのは同院の副院長で、内視鏡センター長の井上太郎医師だ。
内視鏡センターには8台のベッドを設置。検査では静脈麻酔を用いるため、検査時の痛みや不快感をできる限り緩和している。また大腸内視鏡検査では女性患者には女医が対応するなどきめ細やかな配慮も行き届いており、患者の満足度につながっている。
- 難しい症例にも対応する、同センターの高度なESDの技術。 井上医師は後進の育成にも力を注ぐ
ハイクオリティな技術をそのまま離島・僻地へ
井上医師は、こうした大学病院にも比肩する高度で患者に寄り添った医療を、離島を中心とした僻地でも約10年間提供している。
「離島では医療設備が十分でないことも多く、病気の発見が遅れたり、島内では治療ができなかったりします。患者さんが治療を諦めてしまうことのないように、私たちが出向いて、治療を完結させるという思いで取り組んでいます」
実際、井上医師らのチームによってESDを離島でも実現し、その数は年間約200件※に上る。
「『島を出なくてもきちんと検査、治療ができて、安心した』と患者さんはとても喜んでくださいます。それが私たちにとって一番うれしいことです」
そう話す井上医師は、この医療支援を継続できるように、医師派遣のシステムも構築した。
- 離島・僻地での医療支援に注力している同院。 ESDの実施件数は年間約200件※に上る
「離島で医師が一人で頑張るのは負担が大き過ぎます。倒れたり、事情があって現地を離れたりするようなことがあれば、取り残されるのは患者さんです。また医師も、都市部を離れることで医療技術の向上が難しくなります。そこで同院では、チームが分担し、長くても一週間のサイクルで交代して駐在する持続可能な医療支援体制をとっています」
離島・僻地の医療支援に力を入れる徳洲会の中でも、こうしたシステムをうまく稼働させる同院の貢献度は高い。現在、月にのべ200日を超える日数の応援診療に当たっている。しかし井上医師は言う。
「待っている患者さんはたくさんいるので、支援はまだ不十分。最新医療技術を追求し、地元・岸和田での地域貢献とともに、離島・僻地の患者さんに安心できる医療を届けたい」。井上医師の挑戦は止まらない。
※2019年1~12月
副院長
井上 太郎
いのうえ・たろう●2004年、川崎医科大学卒業。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医ほか。
医療新聞社
編集部記者の目
救急と高度な医療の提供で地域を支えるだけでなく、離島・僻地の医療支援に注力する岸和田徳洲会病院。その先頭に立つ井上太郎医師は、北の僻地から南の離島まで毎週飛び回り、消化器内視鏡検査と治療を提供している。「住んでいる島を出なくても、都会と同じレベルの医療を受けてもらうことで、患者さんを取り残さない」という井上医師の強い思いがひしひしと伝わってくる取材だった。そんな井上医師の粘り強い取り組みによって、日本中どこでも質の高い医療が行き渡る日が来ることを期待したい。
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