小児科にとどまらない
新しい形の地域のクリニックへ

 
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有明こどもクリニックは、2010年に有明院、2016年に豊洲院を開設し、現在は2院体制で診療を行っている。祝日以外は毎日、豊洲院では平日は21時まで開院することで、仕事帰りや休日にも高度な医療で安心を届ける。日本小児科学会認定小児科専門医でもあるそれぞれの院長に話を聞いた。
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豊洲院 院長 理事長
小暮 裕之

日本小児科学会認定小児科専門医
 
 
 
 
 

豊洲院の開設で地域に新しい価値を

現在、急速に開発が進んでいる有明・豊洲地区では人口の増加に伴い医療過疎の状態が続いている。それを受けて、有明こどもクリニックでは2010年9月に有明院を、2016年5月に豊洲院をそれぞれ開設。豊洲院の小暮裕之院長は「地域の医療機関の機能として、治療だけでなく、出生率の上昇と育児のしやすさを実現し、地域に新しい価値を創造したい」と語る。
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そのための取組みとしてまず、豊洲院では平日は21時まで、土日も診察を行い、平日日中に来院できない人にも配慮している。次に、子供の親の健康管理も重要であるとして、親子ともに風邪などの感染症に罹患した場合は、専門性の高い症例以外はなるべく親子一緒に診療する体制をとり、待ち時間の短縮を図る。さらに、少しでも多くの人の相談に乗れるようにと、夜間や休日など診療時間外に電話で医師に相談できる、かかりつけ医登録制度を導入し、必要な時に相談できないという状況にならないよう心を砕いている。
 

懇切丁寧な説明で患者に安心感を

同院では2017年6月より、小児皮膚科の診療を開始した。小暮院長はその理由として「小児皮膚科は(成人対象の)皮膚科と比べ、薬の飲み方や塗り方、止め方についての説明にきめ細やかさが必要なのです」と話す。
 
こうした細やかさは同院の小児科全般に言えることである。「経過とともに見立ては変わる可能性があるのでこのタイミングで診察に来て下さい」というところまで伝えるようにしているという小暮院長は、「現在だけでなく未来の話も丁寧に行うことで、患者さんの安心感はより強まると思います」と話す。
 
同院として将来的に、病気のために保育園を休まねばならないお子さんをお預かりする病児保育にもチャレンジしていきたいという。
 
2018年春には中央区勝どきに新クリニックの開業が予定されている。「まずは湾岸地域から育児のしやすさを実現し、さらに地域を広げることが将来の抱負です」と小暮院長は語る。
 

地域のホームドクターを目指して

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有明院 院長
細部 裕子

日本小児科学会認定小児科専門医、
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
 
 
一方、2016年4月から有明院の院長を務める細部裕子医師は、一貫して「地域のホームドクター」としての信頼関係の構築を心がけているという。「クリニックでは、重症の子供を見逃さないことが重要です。当院では小児科全般を診ており、重症例には近隣の大学病院を紹介しています」。同院では、感染症や喘息などの一般小児科以外にも、小児特有の夜尿症や心身症、腎臓病など、小児疾患を多岐にカバーする。
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また、有明地区には一般内科の医療機関も少ないこともあり、同院には大人の患者も来院する。そのため、子供の母親の乳腺炎や更年期などの相談や生活習慣病などにも対応し、今では子供の祖父母など、高齢者も来院するという。
 

患者の気持ちに寄り添った治療を

細部院長の専門がアレルギーであることから、有明院では特に子供の食物アレルギーに注力しており、食物負荷テストを積極的に行う。外来のみなので、比較的軽症の患児が対象となるが、負荷テストにより、どの程度の除去が必要かを明確にでき、必要最小限の除去で家庭や、保育園での食事の幅を広げられる。なお、成人の喘息や花粉症にも取り組み、アレルゲン免疫療法も行う。
 
かかりつけ医として、絶えず患者の気持ちを慮った伝え方のできる、「人の気持ちに寄り添った治療」を大切にしたいと、細部院長は語る。

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