投稿日: 2017年10月30日 10:30 | 更新:2017年10月30日10:30
立川ARTレディースクリニック
院長右島 富士男
みぎしま・ふじお●1995年北里大学医学部卒。2004年スタンフォード大学、05年ノースウェスタン大学留学を経て帰国。10年開院。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。
立川ARTレディースクリニックの右島富士男院長は、2010年に開院して以来、約2300人の妊婦を送り出した。
同院では一般的な不妊治療のほか、体外受精や顕微手術などの高度生殖医療を提供している。「日本における体外受精の1採卵当たりの妊娠率は4%と、世界でも最低レベルです。その主な原因が、画一化された治療だと思います。受精した受精卵(胚)を数日培養し、胚盤胞という段階になった時点で子宮に移植する胚盤胞移植などが、その典型例です」と右島院長。年齢が高いと胚盤胞にはなりづらく、その場合、赤ちゃんとなるはずの胚が、結果として廃棄される事と同様な扱いを受けてしまう。実際は、胚盤胞となる前の分割期胚という段階になった時点で子宮に移植する分割期胚移植など、胚盤胞にならない患者の治療法は多くある。もちろん、胚盤胞に至る患者の胚は胚盤胞移植を優先する。
また、卵巣から分泌されるホルモンの検査を通して、卵子の数を予測することにも力を入れているという。この検査で患者は卵巣の年齢を知ることができ、その結果検査のスケジュールや治療法などを調整、選択する事ができる。
年齢や生活習慣などで治療効果には個人差があるため、画一的な方法では絶対に妊娠率は上がらない――右島院長のこうした信念のもと、同院ではさまざまな治療法の中から、患者に合った治療法を提供する。「基本はグローバルスタンダードな不妊治療を行う事」と右島院長は語っている。一回採卵あたりの妊娠率が圧倒的に高いからだ。
最適な治療法を選択する上で、採卵し受精させて培養し、管理して良好な胚になるまでの成長を見守る、培養士の存在は不可欠だ。不妊治療では、基礎研究がどれだけ積み重ねられ、現在の技術に応用されているかを知ることが何よりも重要とされる。同院には現在10人の培養士が在籍しているが、中でも国内有数の研究所で生殖工学の基礎を学び、ノーベル賞に繋がる共同研究に携わった経験を持つスタッフが培養士として在籍しているのは大きな強みである。「自分たちの技術を患者さんたちに還元する。それこそが本来の医学と信じています」と右島院長は熱く語った。
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- 診療時間:月・水・金・土 9:00~12:30 15:30~18:30 火・木 9:00~12:30休 診 日:火午後、木午後、日、祝東京都立川市曙町2-8-29村野ビル4階TEL.042-527-1124【自由診療】体外受精胚移植 約20万~35万円顕微授精胚移植 約25万~45万円