投稿日: 2017年10月30日 10:30 | 更新:2017年10月30日17:52
大森赤十字病院
呼吸器外科 部長 池田 岳史
いけだ・たけし●2003年、福井大学医学部卒業。福井大学医学部附属病院、虎の門病院を経て、2017年より現職。日本外科学会認定外科専門医、日本呼吸器外科学会認定呼吸器外科専門医
胸腔鏡を用いて体に優しい手術を提供
体への負担が少ない低侵襲な手術として、胸に複数つけた小さな傷からカメラや器具を挿入してモニターを見ながら行う胸腔鏡下手術がある。大森赤十字病院では、さらに低侵襲な完全胸腔鏡下手術を可能とした。その中心を担うのが、福井大学医学部附属病院や虎の門病院で手術経験を積んだ池田岳史医師だ。
完全胸腔鏡下手術のメリットは、従来の開胸手術や胸腔鏡下手術よりも傷が小さく済むことだ。この手術法自体、全国的にも行っている施設は少ないが、さらに池田医師は、胸腔鏡手術の小さな創に対しても、開胸手術の技術を取り入れて、広背筋や前鋸筋といった呼吸筋を温存することにも取り組んでいる。これにより呼吸がしやすく、術後の痛みもより抑えることができる。「痛みがひどくて動けずにいることで寝たきりになり、その結果肺炎を発症する場合もあります。そうした事態を避けることを目指しています」
同院では肺がんの進行によって、高度の炎症や癒着を伴った難易度の高い手術も手がけている。そのような症例では術中の出血リスクが高まるため、手術計画をしっかりと立て、手術に挑んでいるという。ただ、そこまで進行する前に発見することが重要だと池田医師は考えている。そのため同院が位置する大森地区で、健康診断を積極的に行っていきたいという。特に60歳以上の方は、一度CT検査を受診することを推奨している。
日本でも最高水準の手術を地域の病院で提供できるようにしたいと語る池田医師。その実現に向け、仲間と共に日々全力を尽くしている。
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診療科目:呼吸器外科ほか
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