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南東北グループ 医療法人社団三成会

新百合ヶ丘総合病院

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〝救急車を断らない〟を理念に高度で迅速な救急医療を追求

医療体制の拡充へ新棟がオープン

 2020年4月に新棟が開設した新百合ヶ丘総合病院。186床の増床が完成し、地域に根差した563床の総合病院として、医療提供体制の更なる充実に期待が寄せられている。

 特に、注目を集めているのが、救急医療体制の拡充だ。同院の救急センターは、川崎市北部医療圏を中心として、幅広い傷病に対応してきた実績を誇る。

「20床の救急病棟の新設に加え、検査や治療の体制をワンフロアに集約することで、これまで以上に迅速な医療提供が可能になりました」と救急センター長の伊藤敏孝医師は語る。

 センターには、初療室4床、回復室5床を完備。脳卒中や心筋梗塞などの重症患者も数多く受け入れ、開放骨折や指の切断にも24時間対応している。

 院内4台目のMRIや、最新のIVR-CTの導入も見逃せない。なかでも後者は、血管造影とCT検査を一カ所で実施できる装置で、より迅速な治療開始が期待できる。

「新棟の屋上には、ヘリポートも設置しました。ドクターヘリなどの受け入れが可能で、地域医療への更なる貢献につながると考えています」

  • ドクターヘリも受け入れ可能な新棟屋上

受入体制も強化し地域医療を支える

〝救急車を断らない〟をモットーとし、受入体制の強化にも力を入れている伊藤医師。同院の受入件数も増加傾向が続いており、近年は年間約7000件※もの救急搬送に対応している。

「救急要請のホットラインも、看護師でなく医師が取ることで、より迅速な対応、ひいては治療が可能になりました。救急隊との連携強化や、スタッフのスキルアップなどにも注力しています」

 治療では、他の診療科とも適宜連携し、全体の「まとめ役」としての機能も果たす。新棟の開設により、新設された脳卒中ケアユニット(SCU)や、増床された回復期リハビリテーション病棟・緩和ケア病棟なども、治療の充実につながると期待されている。

「診療では、全身を丁寧に診ることを大切にしています。患者さんの主訴だけでは、分からない異常も多いため、正確な診療に欠かせないポイントです」

 近隣の医療機関とも密に連携し、〝1万件の救急受入〟を目指す伊藤医師。地域医療を支える同院の役割は、ますます大きくなるだろう。

救急センター長

伊藤 敏孝

医療新聞社
編集部記者の目

 厚生労働省の災害派遣医療チーム「日本DMAT」の隊員でもある伊藤敏孝医師。メンバーの訓練や研修、チームの指揮などの指導的役割を担う統括DMAT隊員の一人で、2018年の西日本豪雨や、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での新型コロナウイルスの集団感染などにも派遣された実績をもつ。救急医療のプロフェッショナルは、地域だけでなく、日本の医療も支えているのだ。

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