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社会医療法人 加納岩

山梨リハビリテーション病院

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スポーツを愛する人のために
患者一人ひとりに向き合った診療

きめ細かな治療で再発しづらい体づくりを

 回復期病院がスポーツ障害の外来診療を始めた。背景には、スポーツによってケガや痛みを負った住民や子どもたちに対する、一人の医師の熱い思いがあった。山梨県笛吹市の山梨リハビリテーション病院は2020年9月、スポーツ障害と関節疾患の外来診療をスタートさせた。

 患者の大半は近隣の学校に通う運動部の児童・生徒たち。サッカー、バレーボール、バスケットボール、陸上競技と部活動はさまざま。一番多いのは野球部だ。「私自身が元甲子園球児で、故障やケガが何度もありました。近隣にスポーツ障害の医療機関は少なく、放ってはおけないと、この外来を開設しました」と20年6月に院長に就いた中澤良太医師は話す。

 問診では症状や既往歴のほか、利き手、ポジション、学年、正選手か補欠かといったことも丁寧に聞く。器質的疾患の有無を見極め、エコーで軟部組織を評価、骨挫傷や靭帯損傷、疲労骨折が疑われる場合、同法人の加納岩総合病院で当日もしくは数日以内にMRIを撮影する。機能面を上げる必要があれば、治療と並行して理学療法士や作業療法士がリハビリやストレッチ指導を行う。体の機能向上を図り、再発しづらい体づくりが狙いだ。患者の容態は両親やチームの監督に伝え、情報共有する。

 野球部に多い疾患が、いわゆる「野球肘」。特に外側型のひとつ、離断性骨軟骨炎は初期だと痛みがないため、重症化しやすい。重症患者は加納岩総合病院で手術を行う。痛みが出る前の早期発見にはエコーを使った検診が重要だ。中澤医師は山梨県内での野球肘検診実施を目指す。「長くスポーツを楽しんでもらうために検診・予防にも力を入れたい」(中澤医師)。ケガや痛みでスポーツをやめることのないよう、診療、啓蒙活動に全力であたる。

  • エコーによる画像診断で運動器を評価

院長

中澤 良太

日本整形外科学会認定
整形外科専門医

医療新聞社
編集部記者の目

 元甲子園球児だった中澤院長。自身も故障が多かった経験が、スポーツの外来診療を始めようと考えたきっかけのひとつだった。外来診療の受付時間も部活帰りの中高生が通いやすい時間帯に設定するなど、患者を第一に考えた体制を整えている。患者の親や指導者に対して直接、患者の状態を説明することも多い。どうすれば患者が長くスポーツを続けることができるのかを真剣に考えて、向き合い続けている。

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