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新横浜山前クリニック

45年の歴史をもつ
関節リウマチクリニックが行う
最先端のリウマチ治療

関節リウマチクリニックと早期関節炎の外来(EAC)

 今では関節リウマチ治療の常識となっている「早期診断・早期治療・早期寛解」。その礎となる「厚生省早期関節リウマチ診断基準(山前)」の策定に尽力した山前邦臣前院長によって1977年に設立されたのが、新横浜山前クリニック。米国と英国に留学して、研鑽を積んだ山前正臣医師が院長を引き継ぎ、リウマチ治療のさらなる発展に尽力する。2015年には最新のリウマチ診療に対応した施設への移転リニューアルを行い、時代とともに進化するリウマチ治療を提供する。

 関節リウマチの診断は「血液検査のみならず、関節の丁寧な診察」「膠原病、乾癬性関節症、変形性関節症や感染症など鑑別診断」「関節リウマチと診断される前の早期関節炎の状態」などに十分配慮することが大切になる。その中でも根幹となるのが、早期診断。「早期診断ができれば、関節変形などへ進行するのを未然に予防できます。そのためには患者さんが関節に違和感を覚えたときすぐに受診できる、『EAC(早期関節炎クリニック、早期関節炎の外来)』も必要です」と山前院長は話す。「まだ診断されていない発症初期の関節症状を熟練したリウマチ専門医がしっかりと診察を行い、カルテに記録を残すだけでも、後々患者さんにとって大きな意味があるといえます。当院ではすでに早期関節炎の外来(EAC)を本格的に稼働させ、実際に適切な時期に治療を開始することを心がけています」。

 これらの診療を医師だけではなく、リウマチ診療に特化したクラークや看護師、薬剤師の協力を得て実施し大きな成果を収め、45年間続くリウマチクリニックとしての役割を果たしている。

治療アルゴリズムによって「減薬」および「休薬」へ導く

 「リウマチ治療は正攻法で、十分です」と同院では治療アルゴリズムに沿って、関節リウマチの寛解を目指す。「発症初期からしっかりと抗リウマチ薬を用いることが大切であり、それを毎回評価することがリウマチ診療では求められています。一人ひとりに応じた適切な治療を行っていくことが関節変形を減らす最善策です」とも語る。

 同院では「炎症のある腫れた関節がない」と高い寛解の基準を設ける。抗リウマチ薬はこの20年間で目を見張る進歩があり、この厳しい基準をクリアすることはそう難しくない。基準を厳しくすることで関節症状の再燃リスクを下げることができ、しっかりと減薬できる。さらに薬に頼らない「休薬」を目指す。減薬には「ステップダウン」方式を通院患者さん全員に用い、関節症状を毎回の診察で確認しながら段階的に減薬していく。減薬は副作用のリスクを減らすことにもつながる。

 一方で薬物治療に効果を示さない難治性関節リウマチ(D2T RA)にも適切に対処する。難治性になる理由は関節リウマチの病態の複雑さだけではない。「治療に影響を与える要因が多くあります。シェーグレン症候群の有無、高血圧、高脂血症、糖尿病や悪性腫瘍などの慢性疾患の併存や、その患者さんの治療の受け入れ状況の見極めなど多岐にわたります」と続ける。服薬に関する問題は、リウマチに特化した看護師や薬剤師が患者さんと一緒に必要な解決方法を考えることが問われている。関節リウマチ以外の慢性疾患の併存が治療反応性に関連することがわかってきており、これらを考慮した治療選択が必要な時代にすでになっている。

 このような治療を支えているのは、患者さん一人ひとりに対し、毎回の診察ごとに疾患活動性の評価を行うのはもちろんのこと、患者さんの症状、合併症や副作用などをデータ化する作業を含めた、日常診療の振り返りである。これらのリアルデータを日常診療にフィードバックすることで、さらにエビデンスを高めた治療を行うことができる。

  • 化学療法室

患者さんから学ぶ理想のリウマチ診療

 高度な治療だけでなくリウマチ医療チーム育成にも力を注いでいる。リウマチの実臨床に寄り添った業務手順マニュアルを用意したり、他施設医療スタッフを受け入れる短期プログラムを行ったりし、リウマチの患者さんを適切に治療できるような人材を育てている。

 「My patient is my teacher. My teacher is my patient. 患者さんから学び、そこで得た知見を最先端治療という形で還元していきます」と山前院長は語る。

院長

山前 正臣

日本内科学会認定
総合内科専門医
日本リウマチ学会認定
リウマチ専門医

医療新聞社
編集部記者の目

山前正臣院長が事前に用意してくださったレジュメに従い、質問していく。ドイツやオランダでは関節リウマチの早期診断に特化したクリニックが既にあり、日本でもそれを普及させたいという。早期診断の重要性を再確認した。同院の月間患者数は約2000名。エビデンスに基づく適切な診断と診療の仕組みが、それを可能にしている。山前院長のリウマチ治療にかける姿勢に感服した。

Information

新横浜山前クリニック

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