- 大阪府
医療法人 東和会
第一東和会病院
女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンター
- 動画あり
骨盤臓器脱や尿失禁に悩む
女性のための診療
泌尿器科と婦人科の境界「ウロギネコロジー」
「ウロギネコロジー」という言葉をご存知だろうか。泌尿器科と婦人科の間の領域のことで、女性泌尿器科とも呼び、主に骨盤臓器脱や尿失禁などを治療する。「ただちに命には関わらないものの、QOL(生活の質)には大きく影響する疾患です」と話すのは竹山政美医師。日本におけるウロギネコロジーのパイオニアだ。
2015年3月、大阪府高槻市の第一東和会病院は女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンターを開設。近畿地方を中心に日本全国から患者が集まり、年間571件※もの手術を行っている。
子宮、卵巣、膀胱などの臓器が膣から脱出する骨盤臓器脱。骨盤底の臓器を支える筋肉や靭帯が弱まることで引き起こされるため、手術で合成メッシュを埋め込み保持する。
術式は2つ。膣からメッシュを埋め込むTVM手術は、ほぼすべての骨盤臓器脱を治療できる。子宮温存も多くの場合で可能だ。LSC手術は腹腔鏡下で行い、BMI24・5以下の70代までの患者に適応している。患者に合わせて術式を選択し、場合によっては従来の手術法である子宮摘出や腟閉鎖などを実施することもある。
また竹山医師は「尿漏れは加齢によるものだと思っている方が多いですが、実際には治療することができます。恥ずかしさから受診を控えないで、ぜひ病院まで来てほしい」と呼びかける。せきやくしゃみなどで腹部に圧がかかると失禁する腹圧性尿失禁には、尿道の下にテープを入れて支えるTVT手術を実施。強い尿意を覚える切迫性尿失禁には薬物療法や粘膜へのボトックス注射を行う。
他にも理学療法士が骨盤底のリハビリテーションを指導。また市民向け講演会の開催や、女性泌尿器科元患者の会である「ひまわり会」の広報活動に協力し、疾患の啓発に力を入れる。
- TVM手術で埋め込む合成メッシュの形を調整する様子
女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンター
センター長
竹山 政美
日本泌尿器科学会認定
泌尿器科専門医
日本骨盤臓器脱手術学会
理事長
日本女性骨盤底医学会
理事
医療新聞社
編集部記者の目
ウロギネコロジーの診療において大事なのは「集患」だと竹山医師は語る。他人に相談せずに、ひとりで抱え込んでしまう患者が多い領域ということもあって、まずは診てくれる医療機関があることを知ってもらう必要がある。また「患者自身が疾患について知識を得ることが重要」との考えから、元患者の会との交流や本の出版などの啓蒙活動にも熱心だ。記者もインタビューの前に、プレゼン資料を使って疾患について丁寧に教えてもらった。
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