当院では鼠径ヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニア、臍ヘルニアなど腹壁のヘルニア疾患の治療を積極的に行っています。鼠径ヘルニアは嵌頓ヘルニアを除けば不急の手術ではありますが、痛みや違和感など患者様にとってはつらい症状を伴う疾患でもあります。現在成人の鼠径ヘルニアに対して、2/3の症例で鼠径部切開法(メッシュ・プラグ法やリヒテンシュタイン法など)を、1/3の症例で腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)を行っています。ヘルニアの病態や持病の状況、術前からの内服薬の内容、患者様自身のご意向にできるだけ沿った術式選択で手術を行っています。前立腺がんロボット手術後の鼠径ヘルニア症例や抗血栓薬内服を要する持病をお持ちの患者様では鼠系部切開法を、再発鼠径ヘルニアでは初回手術の術式や使用されたメッシュの形態に応じて腹腔鏡下修復術(TAPP法)や腹腔鏡下観察後の鼠径部切開法修復(ハイブリッド法)を行っています。手術は1泊2日から2泊3日程度の入院で行うことが多くなっています。また昨今新型コロナウイルス感染症の流行もあり、入院時に問診票や新型コロナウイルス検査を行って院内感染を予防すべく努めております。
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