投稿日: 2016年8月20日 17:16 | 更新:2016年10月7日11:57
独立行政法人国立病院機構 東京医療センター ふじた・よしなり 藤田 貴也 先生 【経歴】 慶應義塾大学医学部卒業。国立病院機構東京医療センター、慶應義塾大学病院、埼玉社会保険病院、慶應義塾大学股関節班チーフを経て現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医。 | |
機能の改善を志した整形外科医としての道
「自らの手で患者の機能改善を達成し、QOL(生活の質)を向上する」。独立行政法人東京医療センターの藤田貴也医師はそのような思いから整形外科医の道を選んだ。そのころから掲げてきたモットーが「正確かつ迅速な手術」の実現だ。「トヨタではないですけど、日々『カイゼン』だと思っています。より最善を求めて、出血量や手術時間、インプラントの設置位置・角度など一つ一つの精度を高めることが、最終的には患者さんの満足度につながると思うからです」
そうした姿勢は、藤田医師が整形外科医としてスタートしたころから続けているという習慣にも見て取れる。「今まで携わったすべての手術において、手術を終えたその日のうちに必ずその手術の詳細な記録を残しています。そうした積み重ねの中で、とにかく少しでも改善できることがないかということを常に考えています」
現状に満足せず、より高みを目指す
「例えば99.9%ミスが無い手術と、99%ミスが無い手術があるとします。数値だけ見るとどちらも高く見えますが、ミスの数で考えれば10倍も違うのです。医師自身がどの基準を目標とするか、どこまでの精度を目指して研鑚を重ねるかが大切だと考えています」と話す藤田医師。こうした日々の研鑚に裏付けられて、同センターにおける人工股関節置換術は、低い脱臼率の実現を目指して日々研鑽に励んでいるという。
「医師としての一番の喜びは、『人工関節が入っていることを忘れるほど、痛みも違和感も無くなったよ』という患者さんの声ですね」