【名医からのメッセージ~トップランナーが語る半生】003 大野 真司(乳腺外科医)第7回

【名医からのメッセージ~トップランナーが語る半生】003 大野 真司(乳腺外科医)第1回

各領域のプロフェッショナルである「名医」へ、その生い立ち、医師になったきっかけ、実績、そして未来へのメッセージをインタビュー。 
 
一般生活者へ最新医療を啓蒙、医師へのメンタルブロック解消により病院や医師選びの選択肢の拡大を実現し、個々にとっての最適な医療の受診につなげることを目的にしています。
3人目は乳がん治療におけるプロフェッショナル 大野真司先生(相良病院 院長)です。
7回にわたるシリーズの最終回の7回目は「次世代へのメッセージ 次の人へ」になります。

第7回:名医とは、置かれた環境、立場で最善を尽くすこと
自分の好きなことに打ち込んでほしい
—次世代を担う子どもたちへのメッセージをお願いします。
私は日本の将来に対する危機感を抱いています。現在、円安が進んで経済的な不安が高まる中で、日本の国際的な立ち位置が弱体化していると感じています。日本人の民度の高さには誇りを持っていますが、経済面での遅れが世界との競争において不利になっているのが現状です。
教育面でも学校教育の中での勉強量の減少や留学生の減少などが挙げられます。将来、日本人がノーベル賞を受賞する可能性についても懸念しています。若い世代にとっての競争は、以前の私たちの時代とは異なると考えています。個々人の個性や特徴、長所を伸ばす競争が重要だと思います。
私は、競争は全員が手をつないでゴールに向かうレースではなく、各自が自身の得意分野で競い合うものだと信じています。
次世代を担う子どもたちには、自分の好きなことに打ち込み、自らの長所を伸ばしてほしいと思います。そして、未来を切り拓いていってほしいです。
—医師を目指そうとしてる 高校生や医学部生にメッセージをお願いします。
医師の仕事は、他の職業と同様にやりがいがありますが、医師は人の命に関わるという点で特にやりがいを感じます。患者さんを救うことで、彼らから感謝され、社会からも感謝されることが医師の醍醐味です。
自らのスキルを磨きながら、患者さんの命を救うことに尽力する医師の姿勢は素晴らしいものです。みなさんには、そんな使命を果たすために、医師を目指して頑張ってほしいと思います。
覚悟を持ってやるべきこと、こういう気持ちを持っていくべき等の直言みたいなものはありますか。
これはどの職業も同じだと思うのですが、コミュニケーションの力と勉強することがとても大切で、そして、それを一生続けるんだっていう覚悟が大切だと思います。
今、実力がついたからそれで終わりってことはなくて、 常に向上していくために努力していかなくちゃいけないということかなと思います。
置かれた環境、立場で最善を尽くすこと
—「名医」とは、一言でお願いします。
自分のいる環境、立場から、自分の役割と責任をしっかりと考えて、そのために力を常に蓄えて、 そして医療という現場で患者さんのために尽くしていくっていうことです。
例えば、私が現在患者さんのインフォームド・コンセントや手術を行っている頻度はそんなに高くはありませんが、私の部門の医師たちがそれぞれの役割をしっかり果たせるようにマネジメントに力を注いでいます。
それぞれの役割は異なるかもしれませんが、共通して目指すのは患者さんに最善の医療を提供することです。
そして、私は、自分のいる環境、立場から、その役割と責任において、患者さんに対して最良の医療を提供するために全力を尽くしています。
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