投稿日: 2018年12月25日 9:00 | 更新:2018年12月20日18:05
医療法人社団心癒会
しのだの森ホスピタル
理事長 信田 広晶
しのだ・ひろあき●東邦大学医学部卒業。東京女子医科大学病院勤務などを経て現職。
しのだの森ホスピタルでは、うつ病になった人に対し、薬物療法だけに頼らず心理療法、自然療法などを組み合わせながらその人が本来持つ自然治癒力を最大限に引き出す「ホリスティック医療」を提供する。「その際、自尊心を取り戻して自分らしい生活を送ってもらうことを何よりも重視しています」と、信田広晶理事長は語る。このホリスティック医療を支えるのが、ストレスケア病棟「なごみ」で行われる入院治療だ。働く人の復職を支援するリワークもその一つ。実践的なプログラムを通じた復職とともに、再発による再休職の予防にもつながるという。
同院では、リワークに加え女性患者への治療を「なごみ」で行うことにも力を入れる。信田理事長は、「うつ病は、ホルモンバランスを崩しやすい女性に多い疾患です。そのうえ、外来での治療では家事や育児を全くやらない状態が作りづらく、自分のリズムをなかなか取り戻せないことも多いのです」。また、女性心理士が親身に患者の話を聞いて悩みに共感することで、患者は安心感を得られ、自然治癒力も高まっていくのだという。
さらに、初老期のうつ病も「なごみ」での治療が奏効していると信田理事長。「定年退職後に訪れる、虚無感や夫婦の生活リズムの変化によるストレスが原因となることもあります。老いを受け入れて新たな生きがいを見出すためには、その人の生活や考え方すべてを診る『なごみ』での治療が有効なのです」。また、高齢者のうつ病は認知症や脳血管性うつ病など別の疾患に発展しやすい。そのため、同院では認知機能やCTによる検査も行う。現在、厚生労働省の意向を受け薬の適正使用に取り組む施設が増加しており、薬だけに依らない診療体制の整った同院を頼って他院からの紹介例も増えているという。「命に関わらないからと軽視せず、食欲がない、物事に興味が持てないと感じたら、相談にいらしてください」
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