投稿日: 2019年3月4日 11:45 | 更新:2019年3月4日11:45
社会医療法人弘道会
なにわ生野病院
なにわ人工関節センター
センター長 岡島 良明
おかじま・よしあき●1997年、昭和大学医学部卒業、大阪市立大学医学部附属病院整形外科入局。2015年4月から、なにわ生野病院 なにわ人工関節センター長、大阪市立大学病院整形外科臨床教授。日本整形外科学会認定整形外科専門医など。
変形性膝関節症などへの治療として普及する人工膝関節置換術。中でも、関節全部をインプラントに置き換える全人工膝関節置換術(TKA)の両膝同時手術で全国有数の実績を持つのが、なにわ生野病院のなにわ人工関節センターだ。まだ実施施設の少ないこの手術を数多く行ってきた岡島良明医師は、「両脚のバランスを調整できるのが大きな利点です。手術によるストレスが一度で済み、医療費も抑えられるため、経済面・精神面の両方で負担軽減につながります。ただ、安全性の確保には、手術時間の短縮と出血量の抑制が必要です」と語る。
それを可能にするのは、岡島医師の経験に基づく疼痛・出血対策だ。筋肉や腱への侵襲を抑えたMIS(最小侵襲手術)はもちろん、手術の前日から鎮痛剤を処方する先取り鎮痛や、術中に複数の鎮痛剤を投与するカクテル療法により、痛みの慢性化を防ぐ。出血量を抑えるための薬剤も、術前だけでなく術中と術後にも投与している。
患者に応じた手術を行うのも同院の特長だ。背骨の彎曲具合など、患者一人ひとりの姿勢に基づいて膝を調整するほか、年齢や活動性を考慮して人工関節を選んでいく。「さらに、高齢の方は骨が弱い場合が多いため、設置した人工関節が緩まないよう、術前に骨を強くする薬剤を注射するなどの骨粗鬆症対策も行います」。こうした取り組みや、片膝約80分という手際の良い手術により、両膝でも翌日から歩行やリハビリを開始でき、入院期間も約3週間と、片膝手術と変わらないという。岡島医師の掲げる「的確で信頼して頂ける治療」の提供のため、同院はさらなる高みを目指していく。
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