心臓・血管の治療内科と外科が密に連携し、
適切な心疾患治療を迅速に提供

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院


副院長/心臓センター長 松岡 俊三

まつおか・しゅんぞう●福岡徳洲会病院での初期研修を経て、2001年より宇治徳洲会病院。2012年心臓血管内科部長、救命救急センター副センター長兼任。2015年心臓センター長、2018年副院長。日本循環器学会認定循環器専門医。日本救急医学会認定救急科専門医。
 
 

心臓血管外科部長 小林 豊

こばやし・ゆたか●医学博士。東京女子医科大学病院、いわき市立総合磐城共立病院、川崎社会保険病院、宮崎市郡医師会病院、名古屋徳洲会総合病院を経て、2012年から現職。日本外科学会認定外科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、三学会構成心臓血管外科学会認定心臓血管外科専門医、胸部腹部ステントグラフト実施医。
 
 

不整脈科医長 中井 健太郎

なかい・けんたろう●京都大学医学部附属病院、三菱京都病院などを経て、2016年から現職。日本循環器学会認定循環器専門医。日本不整脈心電学会会員、欧州心臓病学会会員、欧州不整脈心電学会会員。
 
 

内科・外科の医師が待機し、心疾患の救急に迅速に対応


 救命救急センターとして、京都府広域の救急医療を担っている宇治徳洲会病院。年間総数8500件以上(2018年1〜12月)の救急搬送のうち、急性心筋梗塞などの心疾患を診る心臓センターでは、「はやい(迅速)・うまい(確実)・やすい(安全)」というモットーのもと、内科と外科が垣根なく協力し、適切な治療の提供を徹底している。
 
 同センターでは、24時間365日、内科と外科の医師及び、臨床工学技士などのスタッフが常駐。最新の320列CTや3・0テスラMRIなどの最新機器、心カテーテル室、ハイブリッド手術室も即座に稼働できるようになっている。「治療に必要なスタッフが必ず院内にいて、迅速に治療を開始できます。それが地域に知られ、京都府外など、近隣の医療圏からの搬送も増えてきました」と松岡俊三副院長。その体制が治療成績にも現れており、急性心筋梗塞では入院30日以内の死亡率が大幅に抑えられている。
 
 救急に至る事態の予防も重視しており、糖尿病や高血圧、脂質異常症など、心疾患のリスクが高い人に320列CTによる検査を提供することで、早期発見・治療につなげているという。それらの取り組みに伴い、治療件数もますます増加。心カテーテル治療では年間952件と、関西でもトップレベルの実績を挙げている。
 

低侵襲手術も含め多様な心臓手術を提供

 心臓手術でも、狭心症・心筋梗塞、心臓弁膜症、大動脈瘤・解離それぞれに適切な手術を提供している。一環として、「心臓手術も、基本的には低侵襲に向かっていく傾向にあります。当院でも、MICS(最小侵襲心臓手術)や、ステントグラフトといった、体への負担の少ない手術を取り入れてきました」と小林 豊医師が語るように、適応があり、患者が希望すれば、早期復帰の可能な手術も提供している。例えばMICSでは術後1週間程度での退院を実現。胸部を大きく開けないことで、力仕事にも早期の復帰を可能にしているという。他に、大動脈瘤・解離においては、ステントグラフトと外科手術の併用も必要に応じて行っている。それにより、ステントグラフトだけでは治療できない範囲に広がった症例でも、体への負担や合併症を抑えつつ、治療を進めていけるという。
 
 こうした手術をもとに、救急に対しても迅速に提供できるよう、ドクターカーを活用して、24時間365日、外科医が直接迎えにいく体制を整えている。外科医が現場で適応を見極め、病院で待機するスタッフと連携を取ることで、患者が到着してすぐに手術を開始できるのだ。
 

質の高い不整脈治療で地域の信頼を得る

24時間365日、迅速な救急医療を提供する宇治徳洲会病院


 もう一つ重視しているのが不整脈治療だ。カテーテルアブレーションやペースメーカー植込術、植込み型除細動器(ICD)移植、心臓再同期療法(CRT)と、必要な治療すべてを提供。足の付け根から血管内に挿入したカテーテルを通じて留置する最新ペースメーカーのような、新しい治療も積極的に導入している。
 
 とりわけ力を入れているのが、心房細動に代表される頻脈性不整脈を治療できるカテーテルアブレーション。脳梗塞や死亡などの重大な合併症がなく、術後の再発も抑えられているという治療の質の高さで、同院周辺だけでなく、京都府南部地域からも広く患者が紹介されている。結果、2018年には350例以上と、高い実績を挙げている。心房細動が脳梗塞の原因となることから、院内の脳神経外科とも連携して、治療後も長期的にフォローできる点も患者の安心につながるだろう。「心房細動は生命に関わるだけでなく、QOL低下や認知症のリスクの増加につながるとも言われています。カテーテルアブレーションで改善に寄与できればと思っています」と、中井健太郎医師は語る。
 
 近年、同センターでは、高齢化に伴って増加している心不全治療も強化した。その手段の一つとして、心機能が低下している患者に対する、循環補助用心内留置型ポンプカテーテルの施設認定も取得している。目指すのは、心血管疾患すべてにおいて、地域住民が安心して任せられる病院だ。

 
 

Information
医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院


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【診療科目】心臓血管内科、心臓血管外科など計39科
【診療受付】7:30〜12:00/16:30〜19:00
【休 診 日】なし

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