投稿日: 2019年3月4日 11:43 | 更新:2019年3月4日11:43
医療法人一誠会 川﨑胃腸科肛門科病院
院長 川﨑 俊一
かわさき・しゅんいち●1995年、東京医科大学卒業。医学博士。2014年より現職。日本外科学会認定外科専門医、日本大腸肛門病学会認定大腸肛門病専門医。
悩んでいる人が多い痔を含め、肛門疾患の治療を重点的に行っているのが、茨城県日立市の川﨑胃腸科肛門科病院。分院である水戸市のみと肛門クリニックと共に、広い地域から患者を受け入れている。
痔に対しては、患者が長期間悩まないよう、必要であれば手術で根治を目指していく。その際、川﨑俊一院長が心がけるのは、入院できる期間や仕事復帰の時期といった、患者の希望を踏まえて術式を決定すること。痔の中でも患者の多い痔核では根治性の高さと、術後の痛みや出血の軽減を両立できる、痔核硬化療法と結紮切除術の併用療法を中心に、要望に応じて各治療を単独でも提供。必要なら緊急での手術も行う。
さらには、「病気だけを治すのではなくて、使いやすい肛門にすることを目指しています」と、川崎院長は術後の肛門の機能まで配慮。術前の検査で機能をチェックし、年齢や病態、括約筋の緊張の強さなどを加味し、切除範囲や注射療法の併用の有無、縫合の程度などを定めるという。
機能温存を目指すのは、括約筋を貫く膿のトンネルが生じる痔ろうでも同様だ。多くはトンネルを取り除く手術を要するが、その際、根治性を維持しながら筋肉の切除範囲を減らし、傷の変形を防いでいくという。「それには、縫い方や切除範囲においてプラスアルファのさじ加減が求められます。3~4㍉程度の切除位置の違いで結果が異なってくるのです」と川崎院長。
肛門機能の治療として便失禁にも力を入れる。生活習慣の改善や骨盤底筋体操から、センサーで肛門の圧力を図りながら訓練するバイオフィードバック、専用の装置を体内に埋め込む仙骨神経刺激療法といった高度な治療まで提供できる施設は全国でも珍しい。併せて発症しやすい子宮脱や尿もれも、婦人科と女性泌尿器科の医師が治療を提供する。
消化器・肛門診療で50年以上にわたり地域に貢献してきた同院。現在では新病院建築の構想もある。地域に信頼される病院として、さらなる躍進を目指す。
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