ESDの新しい手法を確立し、地域の内視鏡治療を担う


医療法人 徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院

内視鏡センター副室長 永田 充

 

ながた・みつる●2006年、東京慈恵会医科大学卒業。佐久総合病院佐久医療センター、岸和田徳洲会病院勤務などを経て現職。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医・関東支部評議員ほか。

 
 

ESDの新しい手法を確立し、地域の内視鏡治療を担う

 湘南藤沢徳洲会病院では、消化管の早期がんを開腹せずに治療できるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を地域で積極的に実施している。治療の中心を担う永田充医師は、ESDの各機器の開発者に学び、豊富な症例経験を培ってきた医師だ。その技術により、広く行われる食道、胃や大腸だけでなく、難易度の高さから実施施設の少ない十二指腸や咽頭にも対応している。
 

内視鏡治療を行う永田医師(写真右)

 
 特筆すべき点として、従来の炭酸ガスではなく、生理食塩水の中で治療を行う新しいESDの導入が挙げられる。水中のために光の反射がなく、拡大効果も得られて、精密な治療が可能になる利点を持つ手法だ。「従来法では切除しにくい位置の病変が対象で、水圧や浮力を生かして切除を容易にします。重力を利用する従来のESDと相補的な関係にある術式です」として、両方を使い分けることで、幅広い症例に対して確実性の高い治療を実現させるという。永田医師はこの手法において、汎用性を高める独自の工夫を編み出し、数十例の症例において合併症を起こすことなく実施。その有用性や安全性を踏まえ、世界で初となる原著論文も発表した。主に結腸を対象とするが、十二指腸に対しても有用性が高いという。
 
 加えて同院では、がんの早期発見のための内視鏡検査にも力を入れている。実際、ほぼ全ての内視鏡検査で拡大機能や画像強調観察機能といった最新機能を備えた機器を使用しているのは、全国でも珍しい。それらによって病変の発見率を高めるだけでなく、ESDの適応の見極めも正確に実施。手術が必要な場合も外科と連携して速やかに対応するという。「消化器のがんは、初期だとほとんど症状が見られません。早期発見・早期治療が一番大切なので、症状がなくても定期的に内視鏡検査を受けていただきたいと思います」と永田医師は話す。
 

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