投稿日: 2019年8月27日 10:51 | 更新:2020年3月6日18:49
社会医療法人中山会 宇都宮記念病院
脳神経外科科長 齊藤 寛浩
さいとう・のりひろ●医学博士。1995年、日本医科大学卒業。旭川赤十字病院にて上山博康医師に師事。札幌禎心会病院を経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、厚生労働省臨床研修指導医など。
栃木県は、脳卒中の死亡率が全国でトップクラスにある現状にある。その改善に貢献すべく、2018年、豊富な経験・実績を持つ齊藤寛浩医師の着任と共に、脳卒中や脳腫瘍など、脳疾患全般に高度な手術の提供体制を整えたのが宇都宮記念病院だ。最新の血管造影装置や顕微鏡などを備えた専用の手術室を設け、医師、看護師、麻酔科医、画像検査技師など、専任のチームが薬物療法や脳血管内治療だけでなく、手術まで24時間365日迅速に行えるようにしている。とりわけ神経モニタリングを夜間に対応可能なのは珍しい。
「例えば脳梗塞ではt-PAや血管内治療で十分に開通できない場合、当院ならすぐに開頭手術に移れます。それによってもとの生活に戻れた患者さんもいます」と齊藤医師。各手術の質も高く、脳組織や細かい血管など、頭蓋内の正常構造を温存する手術を徹底することで、85歳から90歳まで高齢の患者の手術も可能。脳血管のバイパス術のような、県内で実施施設の少ない治療も積極的に実施する。
高度な治療で救急隊の信頼を得たことや、院内の脳ドックとの連携により、立ち上げからわずか1年で脳動脈瘤クリッピング手術73例、総計252件(18年6月〜19年6月)と、豊富な実績を上げてきた同院。その根底にあるのは、齊藤医師が手技を学んだ脳手術の権威、上山博康医師の掲げる「最後まで諦めない、妥協しない」という姿勢だ。「長時間に及ぶことの多い脳手術で徹底するのは簡単なようで難しいのです」と齊藤医師。よく現れているのが、くも膜下出血の手術だろう。細かい血腫まで洗浄を徹底することで術後の脳血管攣縮をほぼ防ぎ、早期の離床、リハビリを実現させた。上山医師は顧問を務めるなど、同院との関係は深く、関東における上山医師の窓口としての役目も担っているという。
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