投稿日: 2019年8月27日 10:53 | 更新:2019年8月27日10:53
順天堂大学医学部附属順天堂医院
循環器内科先任准教授
島田 和典
リハビリテーション室室長補佐
高橋 哲也
循環器内科助教
横山 美帆
心疾患治療後の再発防止や心肺機能向上の手段として心臓リハビリテーションが注目されている。それを積極的に手がけてきたのが順天堂大学医学部附属順天堂医院だ。以前より同院は内科系疾患の治療だけではなく、心臓手術の質も高く評価されてきた。そこにはリハビリの充実も大きく貢献しているという。
リハビリを行う際には、担当チームが手術前から積極的に介入し、手術時期や、術後の対応を総合的に判断していく。「回復の見込みや合併症のリスクなど、起こりうる問題や、必要な解決法を多職種で話し合い、治療の方向性を総合的に判断します」と語る島田和典医師。
治療後は患者の心肺機能を評価しつつ、ベッド上での運動から離床しての歩行練習、トレッドミルなどによる運動療法と、適切な運動を処方していく。その際、医師と看護師、理学療法士、健康運動指導士、管理栄養士のチームで常に患者の状態を評価し、適宜リハビリや治療の内容も調整。身体面に加え、術後の身体機能の低下や傷の痛みなどに対する不安への配慮など、精神面からも患者をサポートする。このような積極的なリハビリが早期離床・早期復帰にもつながっている。「10年前は歩行自立までに1週間以上かけていたような症例が、今は4日程度にまで短縮されました」と高橋哲也氏は例を挙げる。
退院後の患者も、外来診療で継続してフォローしている。同院で手術や治療を行った患者だけでなく、他院で手術や治療を受けた患者も受け入れ、60~80分の中で病状の把握や検査データの説明もしながら、適切な運動を処方していく。なお、診察の待ち時間にはリハビリ室での運動も可能だ。それが「患者さんが時間を有効活用できるだけでなく、患者さんの診療に対して、多職種のスタッフで携われるようになります」(横山美帆医師)と、患者の状態を正確に把握する助けにもなるという。
同院では、患者の身体機能のさらなる向上に向け、心不全患者の栄養面を改善するための新たな評価法や治療法の開発にも取り組んでいる。加えて、必要な患者に心臓リハビリが行き届いていない現状の解消を目指し、遠隔診療の研究も進めている。
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