投稿日: 2017年5月17日 17:18 | 更新:2017年5月17日17:18
医療法人愛精会
あいせい紀年病院
院長 森 隆夫
もり・たかお●1982年日本医科大学を卒業後、同大学精神医学教室に入局、現在連携准教授。医療法人愛精会では1987年、理事長に就任。著書・論文多数。
光トポグラフィー検査による精度の高いうつ病診断
あいせい紀年病院は、1948年開院の精神科に整形外科を併設した病院である。同院の森隆夫理事長は、長年にわたり大学病院の教官として精神疾患の研究・治療に取り組んでおり、一方で日本の精神医療をより良いものとするために臨床医にとどまらず、医療政策など多方面でも活躍している。同院では心の病(やまい)が時代とともに変化していることに対応し、メンタルヘルス領域の病棟整備や一般の精神科外来に加えて「うつ病の外来」「ものわすれの外来」「女性の外来」などニーズに合わせた外来を設置している。
「うつ病の外来」では、長年の経験と最新知識に基づく診断は勿論、脳の血流量から脳機能を推定する、最新の光トポグラフィー検査を導入し診断に役立てている。この機械は、近赤外線を使って、病気の種類により脳内のヘモグロビンの酸素化状態の変化を測定し、脳の血流量のパターンから病気の鑑別補助診断を行うもので、特に躁状態とうつ状態を繰り返す躁うつ病(双極性障害)とうつ病との鑑別には極めて有効であるという。「うつ状態で受診すると、医師はうつ病を疑って抗うつ薬を処方します。ところが、しばらくして躁状態がでてきて躁うつ病と診断が変更されることも多いのです。すると、その間は誤診をしていることになります。躁うつ病に抗うつ薬を使うことは、特別な場合を除き、行うべきではない治療法です」と森理事長。この光トポグラフィー検査などによって正確な診断を行い、適切な薬物療法のみならず心理士と連携したカウンセリングや認知行動療法など個々の特性に応じた治療を行っているという。
「ものわすれの外来」は、高齢化社会を背景に増加している認知症を対象とする外来だ。診断に必要な画像検査は近隣医療機関と連携し、認知症の早期発見早期治療に努めている。特に患者本人や家族を悩ます認知症の精神行動症状に対して、適切な環境調整や薬物療法を施行、重い症状に対しては入院治療を実施している。
また、心の病はデリケートな部分が多く、特に女性の場合は同性の医師に受診を希望する場合が多いため、そうしたニーズに対応する女性医師による「女性の外来」も設置している。
同院ではこうしたニーズに即した医療サービスを提供し、今後もより良いサービスを提供していくために職員一丸となって努力していくとしている。
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【診療科目】精神科、心療内科、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科
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