脊椎治療に精通したスペシャリストが集結

　「断らない医療」をモットーに24時間３６５日、救急対応する横浜新都市脳神経外科病院。２０２３年４月に待望の脊椎外科が誕生した。初代の脊椎外科部長に就任したのが中島崇之医師だ。脊椎外科は、脊椎疾患の治療を向上させるため、脊椎に精通したスペシャリストが診察と迅速かつ詳細な検査を行い、一人ひとりの患者に合わせた治療計画を立てて進めている。

　脊椎外科チームは、整形外科医師を中心に、中島医師を含め、常勤医が４名、非常勤医が８名の12名体制。脳神経外科医の中にも脊髄を得意分野としている医師もおり、協力体制が組めることも強みのひとつだ。

　脊椎外科を立ち上げた目的を中島医師は次のように語る。

「脊椎外科は、整形外科の一分野ではありますが、首腰や手足の痛みなどに特化した領域です。救急患者は病院を選べないため、脊椎外科を標榜することで、脊椎領域に精通した医師がいることを認識し、安心感を得ることができると思います。近隣の開業医からの紹介や予約なしで来院する患者さんにとっても同様です。安心して来院できる環境をつくり出すことを主な目的として立ち上げました」

患者が十分に納得できるよう丁寧に説明

　脊椎の障害は、しばしば激しい神経痛などの痛みを引き起こす。椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、脊椎分離症など、さまざまな種類がある。特に注力しているのが脊柱管狭窄症。診断後、患者の症状に基づいて、薬物療法、注射療法、理学療法などの保存的治療を行う。　

　保存的治療で改善が見られない場合は、手術治療を検討。脊柱管狭窄症の手術には、拡大開窓術、除圧術、固定術などで対応。頸椎では、頸椎症や脊髄症に対して、頸椎椎弓形成術が主な治療法となる。脊椎圧迫骨折の場合には、経皮的椎体形成術（ＢＫＰ）を行う。脊椎疾患は痛みやしびれによって日常生活に支障を来すことがあるため、痛みやしびれを緩和し、生活の質（ＱＯＬ）を向上させ、早期の社会復帰を目指すことに取り組んでいる。

　具体的には患者の症状を正確に評価し、適切な治療計画を立案する。患者の希望や生活スタイルを考慮した治療を行い、術後のリハビリテーションも積極的に実施している。

　手術は最終的な支援手段であり、患者には病態を正しく理解してもらうことが重要。そのため、不要な痛み止めを使用したり、痛みと無駄に戦ったりせず、痛みとある程度の共存ができる心構えを持つように説明することを重視している。

　また、診察結果や手術に関しては詳細に説明。外来を出る際に患者が疑問を抱かずに済むように心がけている。

　同院は脳神経外科の分野で高い評価を受けており、救急医療が頻繁に行われるため、外傷による脊椎患者も多数いる。痛みの質には違いがあり、患者に合わせて丁寧に相談し、理解を得た上で治療を実践している。

　基本的なアプローチは保存療法。病態を正しく理解し、痛みを和らげる方法や、痛みとの共存方法についても学ぶ必要がある。それでも効果が見られない場合は、外科的な手術を選択肢としている。

操作性や機敏さも備えたトップクラスの画像診断

　急性期においては、時間が非常に重要な要素を持つ。

　例えば、神経症状があり、迅速な対応が必要な場合、夜間であっても、ＭＲＩ検査が可能であることは24時間３６５日の体制を構築している同院の強みといえる。迅速な診断を目指すために、画像検査も円滑に進められる。さらに、生理検査においても、検査技師が常駐しており、迅速な対応が可能。画像診断における操作性や機敏さも、トップクラスのレベルを誇っている。

• 早期復帰をサポートするリハビリテーション

　手術室も３部屋あり、緊急オペも手術室の柔軟性が非常に高いため、患者を待たせることなく手術を行うことができる。これは、手術室のスタッフや麻酔科の医師たちの協力があってこそ実現できることで、大きな魅力となっている。

「患者さんの満足度を高め、安心して治療を受けていただくために、医師だけでなく、すべてのスタッフが連携しています。受付窓口から始まり、外来担当、病棟担当、手術室担当の看護師、そして術後のリハビリを行う理学療法士や作業療法士まで、チーム一丸となって患者さんの治療にあたっています。私たちは、『チーム新都市』として、最高の治療とサービスを提供できるよう、日々努力しています」（中島医師）