- 北海道
社会医療法人 柏葉会
柏葉脳神経外科病院
- 動画あり
脳血管疾患の診療を担い
信頼と尊敬の獲得を目指す
2021年に高度脳血管病センターを開設
柏葉脳神経外科病院は札幌市の東部、豊平区にある。病床数はSCU病床を含め144床。1971年の開院以来、主に脳血管疾患の診断と治療において豊富な実績で知られる。患者や社会からの期待に応えられるよう「信頼と尊敬の医療」が理念。この思いを胸に救急から在宅療養まで幅広い医療を手掛ける。
技術と機器の進歩が目覚ましい脳神経疾患治療の領域を鑑み、同院は先進性を重視。その一環として2021年6月に高度脳血管病センターを開設し、センター長には北海道大学病院で16年間にわたり豊富な執刀経験を誇る中山若樹医師が就任。「脳動脈瘤をはじめ、脳動脈や頚動脈の閉塞疾患のほか、特に高難度で知られる脳動静脈奇形に対して、根治できるような、高度な医療を目指しています」と同医師は語る。
世界に誇れる脳神経外科の拠点に
同院は豊平区平岸地区にある自衛隊札幌病院跡地に新病院を建設、2024年11月に移転を予定している。病院は地上7階、延床面積は13000㎡。病室フロアの詰め所をなくし看護師が常に患者に寄り添えるナーシングホールとフリーステション、AR(拡張現実)などの画像技術に、CTや血管造影装置などを組み合わせた、次世代型デジタル・ハイブリッド手術室などによって、患者の回復力(レジリエンス)を引き出せる医療を提供する予定だ。
先述の高度脳血管病センターや、寺坂俊介理事長の手による頭蓋底外科技術を駆使した脳腫瘍の外科治療、松澤等センター長によるAIや機能的画像解析を研究する先端医療研究センターといった、脳神経外科の先端医療機関として様々なストロングポイントを持つ同院が目標とするのは、米国最高レベルの脳神経疾患治療の研究機関で脳神経外科医の訓練センター、バロー神経研究所だと中山医師は語る。
「民間施設で総合病院を目指さず、脳神経に特化して差別化を図ることで成功しています。当院もそうした施設に肩を並べる医療機関として飛躍したいですね」
脳神経外科において日本が誇る旗艦施設は、遠く海の向こうを見据えている。
病室からは藻岩山の景色も楽しむことができる。
医療新聞社
編集部記者の目
高度脳血管病センター長の中山若樹医師は日本屈指の脳動静脈奇形のエキスパートだ。その中山医師でも、手掛けた手術について後悔することがあるという。その意外な思いが印象的だった。
「あの手術はもっと良くできたのではないかと。もうちょっと、こうやったらいい結果になったかもしれないとか考えます。患者さんは無事で治療としては成功だけど、自分の中では気に入らないところがあり、うまくいかないこともあるわけです。まあこういうこともあるよと終わりにしないで、どうすればよかったとか常に悔やんでいます」
AVM治療の権威でも人知れず悩みを抱えていたのだ。そんな葛藤を克服した先に、卓越した医療が待っている。
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