• 北海道

江別訪問診療所

患者が何を希望、要望するかを
しっかり把握して提供

病院と家の垣根をなくしたいとのスローガンを掲げ開院

 道内最大の平野にして雄大な農牧地が広がる石狩平野の中央にある北海道江別市。隣接する札幌市への通勤、通学圏内とあって、道央の生活居住圏でもある。江別訪問診療所は2018年、「病院と家の垣根をなくしたい」をスローガンに掲げ、同市上江別で開院。これまで市内のほか、厚別、北広島、岩見沢など近郊地域に住む約2000人以上※の患者宅を訪問、現在は約400人を訪問診療している。看取りの数も多い。

 同院は訪問看護ステーション「ちいきの森」を運営。直営施設「ナーシングホームちいきの森」では医療依存度が高く、自宅で療養困難な患者を受け入れ、緩和ケアに努めている。

 「末期がんの強い痛みを和らげるため、鎮痛剤を24時間点滴中の人、重度の肺気腫のための在宅酸素療法をする方、排尿機能障害で膀胱にカテーテルを挿入し、定期交換が必要な人などを訪問診療しています」と話すのは同院院長の日下勝博医師だ。同院は人工呼吸器、腹水濾過濃縮再注入法、膝・肩などへの関節注射、胃ろう・膀胱ろうの管理、交換などの施術、管理を訪問診療で実践している。

 日下院長曰く、「在宅療養中、あるいは余命わずかと診断された場合、患者さんとご家族がこの先、ご自宅でどう過ごし、何を希望、要望し、目標はどこにあるのかをしっかり把握し、提供に努めます」という。

仕事とプライベートを両立できる職場を目指す

 「私はこの診療所を医療が手薄な地域に分け入って、診断、治療する僻地医療の拠点にしたいとの思いがあります。医師の人数を確保して負担を減らし、医療の質が保てるシステムを構築したいのです」

 スタッフの働きやすさにも腐心している。

 「なるべく仕事の負荷を減らし、仕事以外にも人生の目的や目標がある方が無理なく働ける職場を目指しています。ランチの時間は、スタッフ同士が集まって情報交換するなど、和気あいあいとした雰囲気があるのも当院の特徴です」

 患者も医師もスタッフも、みんなが幸せになる訪問診療の新たなロールモデルを構築しようとしている。

※2018年11月〜2023年7月

院長

日下 勝博

くさか・かつひろ●自治医科大学卒業。札幌医科大学、道立羽幌病院内科、江別市立病院総合内科部長、町立南幌病院院長などを経て、現職。医療経営学修士(h-MBA)

Information

江別訪問診療所

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北海道江別市上江別476番地4

TEL:011-375-9470

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