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小沢眼科内科病院

開院から115年
国内有数の手術数を誇る眼科専門病院
「最後の砦」として地域医療を担う

病院は有望な人材が活躍できる場所であるべき

 1909年、初代院長・小沢昇氏が茨城県水戸市五軒町に創設した眼科医院から、その歴史の扉は開かれた。以来、115年もの間、手術が必要な急性期医療から症状が安定した慢性期医療まで診断、治療し、眼に関するあらゆる相談に応じる医療機関として、地域医療に貢献している。

「主に手術に取り組む外科系眼科、さらには糖尿病診療に特化した内科の両輪で先進的な医療が提供できるよう努めています。眼科と内科が連携、協力し、基礎疾患も考慮したトータルな治療を心がけています」と話すのは理事長の小沢忠彦医師だ。常に腐心するのは未来を見据えた医療環境の整備。医療の技術や機器は日進月歩だけに、「医療の現場はアップデートしていくべき」と言う。さらに、小沢理事長は同院のあるべき姿も進化させようとしている。

「世襲を改め、適した人材を院長に登用しました。病院は院長や役職を踏襲するのではなく、その時代に有望な人材が活躍できる場所であるべきでしょう。それが患者さんにとって良い医療につながると思うからです」(小沢理事長)

 同院のスタッフは10台の視力測定台を備えた視力検査室をはじめ、視野検査室、眼底検査室、レーザー手術室など院内の各エリアで診断、治療に当たっている。

「中央手術室が3室、日帰り手術専用の1室、計4つの手術室があります。白内障手術は3列、網膜硝子体手術は2列の同時手術が可能です。病床数は46床。手術に関しては、患者さんの病状に応じて全身麻酔などを行なう場合もあり、入院が基本となりますが、ご希望により日帰り手術も行っております」(小沢理事長)

リスクを抑えた白内障治療に取り組む

 同院の治療の中で多いのは白内障の手術だ。白内障はカメラでいうならレンズ機能に相当し、外部からの光を集めてピントを合わせる水晶体の内部にあるタンパク質が変性、濁る病気だ。進行すると、雲がかかったかのように白くかすみ始め、異様に眩しさを感じ、物がだぶって見え始める。さらに進むと視界が暗くなり、明るさを感じるだけになる。

「初期症状には白内障の進行を遅らせる点眼薬を用います。しかし、症状が進み、日常生活に大きく支障を来たすようになれば手術を検討します」(小沢理事長)

 手術は点眼麻酔下で実施。まず、角膜の縁を2・4㍉~3㍉程度切開する。その切開創から細いペン型の超音波手術装置を挿入し、濁った水晶体を超音波で砕きながら吸引。残しておいた外側の薄い袋の水晶体嚢の中に、アクリル製の人工レンズを挿入し、傷を閉じて終了となる。

「術前検査装置、手術顕微鏡、超音波乳化吸引装置、眼内レンズを適切に設置するためのサージカルガイダンスシステムなど、リスクを抑えた外科的治療を実現するために各種設備を導入して、手術に臨んでいます」(小沢理事長)

茨城県内4つの診療所

五軒町診療所

〒310-0063 茨城県水戸市五軒町2-2-11
TEL 029-224-5722
診療科目 眼科 【日帰り白内障手術】
診療日 月〜土曜日



大宮診療所

〒319-2254 茨城県常陸大宮市北町120-1
TEL 0295-53-6800
診療科目 眼科 【日帰り白内障手術】
診療日 月〜土曜日



友部診療所

〒309-1702 茨城県笠間市五平72-1
TEL 0296-71-2311
診療科目 眼科 【斜視・神経眼科】
診療日 月〜木・土曜日



神栖診療所

〒314-0146 茨城県神栖市平泉1-5
TEL 0299-77-8355
診療科目 眼科 【日帰り白内障・硝子体手術】
診療日 月〜土曜日

網膜剥離は即日対応多数の硝子体手術実績

 水晶体がレンズ機能を担うなら、眼の奥にある厚さ0・1〜0・4㍉ほどの薄い膜、網膜はフィルムの役割を果たす。人が物を見る時、外部からの光は角膜を通過して瞳孔から眼球内に入る。光は角膜と水晶体で屈折、硝子体を通り網膜に達する。この時、網膜が得た光の刺激が視神経を介して脳に伝わり、“見える”と認識される。

「網膜と接着し、癒着する硝子体は眼球の8割の容積を占めるゼリー状の物質です。この硝子体が加齢により収縮し、硝子体剥離を起こします。この際、硝子体との癒着が強いと、網膜を牽引して引っ張り、網膜裂孔や網膜剥離、糖尿病の方なら硝子体出血を起こします。これらを網膜硝子体疾患と呼びます」と解説するのは、主に網膜硝子体手術を手がける院長の田中裕一朗医師だ。

 田中院長によれば、数ある硝子体疾患の中でも網膜剥離の手術が多いという。網膜剥離は網膜に孔が空き、その孔の中に液体が流入して神経網膜が基底膜から剥がれて起こる。放置すると失明に至る。

 網膜剥離の治療法として大半を占めるのが、網膜裂孔を牽引している硝子体を切除する硝子体手術。黒目から4㍉ほど離れた白目の3〜4カ所に0・5㍉程度の穴を開け、それぞれの穴から硝子体カッター、眼内を照らす照明器具、眼内を一定に保つための灌流液を流す回路を挿入。眼の中の硝子体をきれいに取り除き、膨張性のガスで網膜を復位させる。

「網膜はいまだ再生が不可能です。そこに触れる手術は微細な操作が求められます。手術は眼内炎や増殖性硝子体網膜症など重篤な合併症も懸念されますので、術者の力量が問われると思います」(田中院長)

 同院は網膜剥離を発症した患者を救急で受け入れる体制を整えている。「救急で来られた患者さんを外来で診察し、その日に手術が必要と判断したら、手術室へと移動してもらいます。この網膜剥離の当日手術を月曜日から土曜日まで毎日できるように体制を整えています。当院は眼科に特化した病院ではありますが、宿日直体制を敷いています。眼科医が待機し、救急に備えています。日曜・祝日でも電話を頂けたら、病棟の看護師が症状をお聞きします。その際、網膜剥離や眼内炎などが疑われたら、宿日直医が診察いたします」(田中院長)

 こうして昼夜問わず診療を担うのは、眼科に特化した病院の使命と田中院長は言う。

「網膜剥離は診断がついた後、緊急性があれば手術を数日先、1週間先に延ばしてはいけないと思います。2〜3日以内に施術しないと永久的に視力障害を残す場合があり、すなわち、治療は時間との勝負なのです。いつでも救急の患者さんを受け入れ、その方が治療結果に満足するような医療を提供したいですね」(田中院長)

早期発見、眼科検診が重要緑内障に対する最新治療

「緑内障は自覚症状がなく、視野が縁の方から欠け始めたのに、真ん中に残った視野で見る視力が良いために、気づかない方もいます」と語るのは、副院長の安藤幹彦医師だ。

 緑内障は何らかの原因で視神経が障害され、見える範囲、視野が狭くなってゆく病気だ。眼圧が上がり、視神経を損傷する、目の中の房水量の不均衡が原因の一つとされる。

「初期治療は点眼薬とレーザー治療です。レーザー治療は選択的線維柱帯形成術を選択します。房水の排出口である線維柱帯の色素細胞のみを選択的に阻害、房水の排出抵抗を抑えて眼圧を下げるのです。房水の流出抵抗を軽減する流出路再建術、結膜の下に房水が流出するバイパスを作る濾過手術も検討します」(安藤副院長)

 緑内障は早期発見がとにかく大事だと警鐘を鳴らす。

「特に40歳を過ぎたら、目に光を当てて視神経乳頭部の変化をみる眼底検査、眼底の神経の厚みを測るOCT検査などで調べることをお勧めしています」(安藤副院長)

解剖学の知識を活用し、 眼瞼下垂や涙道疾患を診療

 眼瞼下垂はまぶたが下がり、瞳に被さることで視界が遮られる疾患。まぶたを挙げる働きの低下、まぶたの皮膚が緩み被さる状態、先天性のものがある。

「手術にはまぶたの緩んだ筋肉を強化させる術式と余剰な皮膚を切除する術式があります。これまで培ってきた解剖学の知識を活かし、組織を痛めないよう施術し麻酔を適量使い短時間で終えるよう努めます。顔の印象に関わるまぶたの手術に不安を抱く患者さんに寄り添えるよう、納得いただける説明を心がけています」と診療部長の石川恵里医師は話す。

 解剖学の知見は涙目の治療にも応用している。涙目は涙道と呼ばれる涙の通り道が閉塞し、涙の産生と排出の均衡が崩れ生じる。

「多くは加齢や慢性的な炎症による涙道の障害で生じます。その症状は目が潤むだけでなく、見え方にも悪影響を及ぼします。手術は涙道内視鏡による再建や、より根治的な涙囊鼻腔吻合術を行い、患者さんの負担の少ない手術を心がけています。まぶたや涙目でお困りの方は、ぜひ来院ください」(石川部長)

理事長

小沢 忠彦

院長

田中 裕一朗

副院長

安藤 幹彦

診療部長

石川 恵里

医療新聞社
編集部記者の目

 同院について、小沢理事長は「有望かつ、才能ある人材が集う施設にしたいと思います。そうした医師、スタッフに対し、私は場所を提供している存在ですね」と笑顔を見せる。
 田中院長もまた、同院の目指すべき姿について言及する。
「家族や恋人など、自分にとって大切な人に紹介して受診させたい病院にしようと誓い、院長職を担ってきました。しかしですね、待ち時間はどうしようもできなくて。患者さまにお待ちいただくこともあります。治療実績を積み重ねて、『あの病院だから、長い待ち時間はしょうがない』と言ってもらおうと、舵を切り、これまでがんばってきました。やはり、美味しさで定評ある人気の飲食店って、行列も珍しくないですよね。並んでも受けたい診療が提供できるよう、日々、精進しています」(田中院長)
 自身の視覚と視野、視力を守るため、今日も多くの人が同院を訪れる。

Information

小沢眼科内科病院

〒310-0845
茨城県水戸市吉沢町246-6

予約 TEL. 029-304-5550 Web予約24時間受付

問い合わせ TEL.029-246-2111

FAX.029-304-5111


日帰り手術・網膜剥離など緊急手術に対応

診療科目:眼科・内科
診療日:月〜土
休診日:日・祝
診療時間:8:00~12:00 13:00~17:00
(内科は土曜午後休診)
※コンタクトレンズ新規作成の受付は16:00まで