- 大阪府
医療法人 紀陽会
田仲北野田病院
- 動画あり
患者に寄り添い、安全で
質の高い透析療法を目指す
豊富な治療実績に遠方の患者も来院
大阪府堺市にある田仲北野田病院は、慢性腎炎や糖尿病性腎症などで人工透析が必要となった腎不全患者を数多く受け入れ、その診療にあたっている。
「当院はこの地域で人工透析療法を約40年にわたり提供してきました。特に力を入れてきたのがシャント造設術です」と田仲勝院長は話す。シャント造設術は、体外の透析器に送る多量の血液を確保するため、腕の動脈と静脈をつなぐ透析治療に不可欠な手術だ。
年間1200件※ものシャント関連手術を手掛ける同院だが「容易に透析へ移行するのではなく、内科的治療で腎症を管理できる可能性を探り、いかに透析を回避するかを重視しています」と話す田仲院長。シャント造設に対しても強いこだわりがある。「シャントによる血流の増加は、心肺に負担をかけます。よって過度に血流を増やさず身体に負担の少ないシャント造設に尽力しています」。身体に考慮し、適した血流でシャントを作るその技術は、田仲院長が長年積み上げてきた知識と経験の賜物だ。透析が必要となった後は、内視鏡や超音波検査、CTなどを用いたきめ細かな検査で状態を確認し、透析合併症管理に努めている。
こうした質の高い透析療法の実績から、患者が近隣のみならず他県からも多く訪れている。また医療機関からも厚い信頼を得ており、周辺クリニックだけでなく大学病院や国立病院からの紹介患者も多い。現在52施設に上る病診・病病連携体制を確立し、関西一円で広く貢献している。
もう一つの特長が、全ての患者に送迎バスを手配し、通院の負担軽減を図っている点だ。
「週3回必要な透析通院は患者さんやご家族の大きな負担となります。そのサポートは必須と考えています」と話す田仲紀子理事長は「食事も治療の一つ」という考えから、透析食にも力を注ぐ。栄養を考慮した京料理風の透析食は通院の際にも提供。患者に食べる喜びと自身で透析食を作る負担の軽減に寄与している。
「透析療法をしていても、楽しく有意義な時間を過ごしていただきたい。そのために患者さんと一緒に治療に取り組み、支えたい」と田仲理事長は力を込めた。
※ 2019年1~12月
理事 院長
田仲 勝
理事長
田仲 紀子
医療新聞社
編集部記者の目
地域に根差した透析治療を提供する田仲北野田病院。今回の取材で心動かされたのは、田仲勝院長のシャントの捉え方だ。シャントは「身体に大きな変化を与えてしまうもの」という認識を持ち、その上でいかに患者の身体に優しいシャントを造るかということに心血を注いでいる。また田仲紀子理事長の「患者のライフスタイルに合わせた透析治療を」という信念のもと、送迎バスの範囲を過疎地域にまで広げるべく尽力しているのも特筆すべき点だ。同院の取り組みはまさに”ペイシェント・センタード・メディスン(患者を中心とした医療)”を具現化していると言えよう。
Information
〒599-8123 大阪府堺市東区北野田707番地
TEL.072-235-1055(代)
【診療受付時間】午前診 8:30~12:00
午後診 13:00~15:00 夜診17:00~19:30
【透析診療時間】月・水・金 8:30~22:30
火・木・土 8:30~19:00
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