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南東北グループ 医療法人社団 三成会

新百合ヶ丘総合病院

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手の震えで悩んでいる方に、
新しい選択肢(集束超音波治療)を提案

頭を切開する必要のない治療法

 「本態性振戦・パーキンソン病などによる手の震えで悩んでいる方は少なくありません。重症化すると日常生活に支障をきたします。薬物療法で十分な効果が得られない場合、従来は頭を切開し、脳に電極を刺入する外科治療か、保険の効かない放射線治療を採用するしかなかった。私たちは頭を切開する必要のない、新しい選択肢『MRガイド下集束超音波治療(FUS)』を、ご提案しています」

 と新百合ヶ丘総合病院脳神経外科(機能外科部門)部長の仲野雅幸医師は話す。FUSとはMRI(磁気共鳴画像装置)を併用し、震えの原因となる神経回路の視床腹中間核に超音波を集束し、その部分を熱凝固させるものだ。新百合ヶ丘総合病院には、この治療を専門に行う「FUSセンター」が置かれている。

 超音波は頭蓋骨を貫通しにくいが、約1000本のビームを、虫めがねで太陽光を集めるように集束させることで、治療部位の温度を上昇させることができる。手術療法のように頭蓋骨に穴を空けたり、機器を埋め込んだりする必要がない。出血や感染症のリスクも減らせる。

 患者さんは全剃髪後に超音波発生素子が装着された治療用ヘルメットをかぶる。そしてMRIで正確な部位や温度を確認しながら、10秒から数10秒の超音波照射を繰り返していく。

 「治療に要する時間は約3時間。治療中も医師と話すことができますし、医師と指先をあわせるなどして治療効果を、その場で測定することができます。患者さんにとってはストレスが少ない手術です」(仲野医師)

日本で初めてFUSを導入した医療機関

 新百合ヶ丘総合病院は2012年8月の開設。いまや川崎市北部の地域医療を担う屈指の総合病院へと成長した。「すべては患者さんのために」というグループの精神を貫き、切らずに痛みのない定位放射線治療「サイバーナイフ」、手術支援ロボット「ダヴィンチ」など低侵襲(体への負荷が少ないこと)の先進テクノロジーも、いち早く導入した。

 FUSへの取り組みも早かった。実は日本で最初に、この治療法を取り入れた医療機関でもある。治験や臨床研究にも積極的に取り組み、国内有数の治療実績を持つ。この治療は保険適応の対象で、入院は1週間程度。早期の社会復帰が見込まれる。

 「重度の震えがあると仕事や書字・食事などの日常生活は難しい。治療に成功すれば、人前に出ることに躊躇がなくなります。生活の質が大きく変わるのです」

 と仲野医師は力を込める。

  • FUSチームは複数科のスタッフで構成されている

脳神経外科(機能外科部門)部長

仲野 雅幸

日本脳神経外科学会認定
脳神経外科専門医

医療新聞社
編集部記者の目

 新百合ヶ丘総合病院は2012年8月の開設。わずか10年の歴史しかないが、いまや川崎市北部を代表する総合病院へと発展した。先進的なテクノロジーの導入にも熱心で、仲野医師を中心に、いちはやく「MRガイド下集束超音波治療(FUS)」にも取り組んだ。機器を埋め込む必要がなく、切開しないので出血などのリスクも少ない。しかも公的保険が適用され、高額療養費制度の対象となっている。患者さんにやさしい治療法といえる。

Information

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新百合ヶ丘総合病院

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新百合ヶ丘総合病院
神奈川県川崎市麻生区古沢都古255

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