大動脈疾患は、高齢化、生活習慣病により増加傾向で、中でも発症後ただちに適切な治療が必要となる急性大動脈解離は若年者にも多くなってきました。心臓に近い血管が裂けるA型解離の場合、破裂や循環動態の破綻をきたしやすく、緊急に手術が必要となります。

　A型解離の外科治療は亀裂の部位により、人工血管置換術、血管内治療、あるいは2つを組み合わせた手術を選択します。当院では毎年50～60例（※）の手術件数となっています。また心臓に近い血管が裂けていないB型解離では降圧を中心に保存的加療を行う場合が多く、専用プログラムを中心にリハビリを施行しています。

　新潟県は南北に長く、中央部に位置する当院へはアクセスは比較的容易で、高速道路網のほか、ドクターヘリの運用により、新潟全域から24時間体制で受け入れを行っています。県内各地から多くのご紹介をいただき、新潟県でも有数の症例数と手術件数を誇っています。

　私たちは麻酔科や看護師、ほかのコメディカルとも密に連携しながら患者さんが１日でもはやく日常生活へ戻り、社会復帰できるようお手伝いしたいと考えています。

　※2018年55例、2019年53例、2020年53例