膝の軟骨や半月板がどのくらい傷んでいるのか、Ｏ脚かどうか、膝がよく曲がるか、スポーツは好きか、身体を使うお仕事か、などはひとり一人違います。その治療法もさまざまであり、それぞれの治療法にふさわしい病状が異なっています。

　膝骨切り術は、Ｏ脚があり、膝の内側の半月板や軟骨が傷んでいるが、膝の外側が正常で、膝の曲げ伸ばし（可動域）がよい患者さんに適応となります。Ｏ脚を矯正する骨切りによって、体重が膝の外側に分散され、膝の内側の痛みが軽くなります。自分の関節を残すことができるため、スポーツなど活動的な生活にも適しています。ただし、膝の変形が強い場合や、可動域がせまい場合は、十分な治療効果がえられないこともあるので、人工関節とどちらがよいか慎重に比べる必要があります。骨切りの方法もいろいろあり、高度な技術を要します。

　一方、人工関節にも良い点があり、それは高度な変形にも対応ができることです。激しいスポーツはできませんが、ゴルフ程度は可能です。それぞれの治療法には、向き不向きがありますので、骨切り術、人工関節全置換、単顆置換、関節鏡手術など、あらゆる治療を行っている病院を選ぶことが重要です。