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南東北グループ 医療法人財団 健貢会

総合東京病院

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幅広い診療体制で患者のニーズに応える

脳神経外科の技術を脊椎脊髄疾患に生かす

 2010年に設立された総合東京病院は、一人暮らしの高齢者が多い中野区・練馬区を主たる医療圏とする。脳神経外科や循環器内科を中心とした救急医療にも注力しつつ、糖尿病センター、放射線治療センター、PET検査対応など多角的な医療を提供し、地域を支えている。

 高齢者に多いのが骨粗鬆症によって起こる脊椎圧迫骨折だ。背骨が砕ける疾患で、重度になると痛みで体を動かせなくなる。同院の場合、ほとんどの患者が救急搬送で運ばれる。

 まず安静・コルセット・鎮痛剤といった保存療法から取り組むが、高齢のため体を動かさずにいると認知症が進んでしまうケースもある。そこで患者と入念に相談した上でBKP(経皮的椎体形成術)を検討する。圧迫され、つぶれた骨を風船で膨らませて元の形状に戻した後、骨の中にセメントを注入して脊椎を安定させる治療法だ。

 「全身麻酔下で手術時間は20〜30分と短く、劇的な改善が期待されます」と話すのは総合東京病院院長代行・脊椎脊髄センター長の伊藤康信医師。施設内に100床を超える回復期リハビリテーション病棟があるのは、術後のケアが大切な高齢者にとって心強い。

 同院は顕微鏡手術を柱にさまざまな脊椎脊髄疾患治療を行う。腰痛疾患であれば、従来型のTLIF(腰椎後方椎体間固定術)に加え、近年はXLIF(腰椎側方椎体間固定術)を取り入れている。腹部から骨を固定するケージを挿入し背骨を持ち上げることで間接的に脊柱管の圧迫を取り除く術式だ。背中側にある骨や靭帯を除去する必要もなく、腹部の創口も1カ所3㌢程、術中の出血も極めて少ない。

 総合東京病院は、脳外科手術と脊椎脊髄治療の両面で地域の人々のニーズに応え続ける。

院長代行・脊椎脊髄センター長

伊藤 康信

日本脳神経外科学会認定
脳神経外科専門医

医療新聞社
編集部記者の目

日本で脊椎脊髄疾患治療といえば、整形外科の印象が強い。脳神経外科の伊藤康信医師は留学先のペンシルベニア医科大学で脊椎について深く学んだ。当時、人間と比べ格段に小さいラットを用いたトレーニングを含め年間の手術数は約3000件を数えた。留学時代の話をお聞きして、名医の影には圧倒的な努力があるのだと感じた。

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