• 大阪府

医療法人 徳洲会

岸和田徳洲会病院

  • 動画あり

経験と研鑽で培った技術で
患者に寄り添い良質な医療を届ける

新型コロナウイルス感染症対応で真価を示した

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった2021年4月、流行の第4波により全国的に医療機関の対応がひっ迫する中、岸和田徳洲会病院は重症患者を積極的に受け入れた。救命救急の28床をすべて新型コロナウイルス感染症の重症患者にあて対応した。受け入れた重症患者数はのべ1368人※1に及ぶ。一方、高度急性期医療を司る地域の中核病院として、急性期救急の要請も引き続き受け入れた。

 社会的な危機をもたらした大規模な感染症に対して、医療者としてあるべき姿を示した東上震一総長は話す。

 「新型コロナウイルス感染症の重症患者を診るからといって、一般の診療ができなくなっていいわけがありません。『病気を患った弱い立場にある人のために尽くす』という医療従事者としての意義を、社会的危機にあってこそ示すべきです」

 コロナ禍においても自院の機能を制限することなく最大限に活用して、従来の診療にも尽力してきた。根底には「いつでも、どこでも、誰でも最善の医療を受けられる社会の実現を目指す」という徳洲会グループの理念がある。

良質な医療を敷居低く患者に届ける

 厚生労働省から大学病院に準じる、高度な医療を提供できる機能を持つ「DPC特定病院群」の指定を受けている。また18年に医療機関の国際的な評価基準であるJCI認証を獲得し、21年12月に更新した。第三者による客観的な評価を受けながら、病院が成長する方向性を確かなものにしている。

 22年4月には3棟目となる新・新館が稼働する。病床数は400床に増え、病院規模は拡大。循環器内科・心臓血管外科と消化器内科、救急救命を3本柱に高度急性期医療に特化し、岸和田市を中心とした泉州地域の医療をこれまで以上に強固に支える構えだ。

 「医療の質を、どの尺度で測るかは難しいのですが、量を多くこなせば、次第に無駄が省けて、技術が洗練されるため、同じことをする際にも自ずとスピードがあがります。そうすれば、更にこなす量を増やすことができる。量を増やすということは、必然的に質を高めることにつながると思います。量を増やすことと質を高めることは両立できるのです。そのようにして『良質な医療』を、敷居低く、より多くの人に届けていくことが私たちの使命だと考えています」と東上総長は決意を強める。医療従事者として、医療の質と量の向上に実直に臨むプロフェッショナルな姿勢を貫いている。

手術・カテーテル治療の双方で治療にあたる

 東上総長が力を注いできた心臓血管外科の手術件数は累計1万件※2に達し、全国有数の年間症例数を誇る。手術に伴う体への負担軽減にも重きを置き、冠動脈疾患や心臓弁膜症に対しては、開胸手術に限らず、胸部の小切開で治療する低侵襲心臓手術(MICS)を積極的に取り入れている。

 胸部・腹部の大動脈瘤に対するステントグラフト治療や、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)などカテーテル治療にも力を注いでいる。TAVIは循環器内科・心臓外科を中心としたハートチームで行い、内科、外科双方が術者になるという特色がある。カテーテル治療の適応が難しい、急性大動脈解離には大動脈基部再建術や全弓部人工血管置換術を積極的に適応し、より完成度の高い大動脈再建を目指している。慢性期の大動脈瘤に対しては手術とカテーテル治療を組み合わせたハイブリット治療も選択している。

 循環器内科においても狭心症や心筋梗塞に対するカテーテルインターベンション(PCI)に加えて、僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療(経皮的僧帽弁接合不全修復術)や不整脈に対するカテーテルアブレーション治療を導入し、症例数も豊富だ。内科・外科が文字通り一丸となって対応するハートチームの活動が岸和田徳洲会病院の循環器治療の特色といえる。

 「手術とカテーテル治療、どちらも豊富な経験を重ねているからこそ、一つひとつの症例に適した柔軟な対応が可能になります。これからの時代に即した新たな心臓血管治療のスタイルだといえます」と東上総長は話す。

  • 低侵襲な治療を選択し、手術にもカテーテル治療にも対応する
  • 東上総長をはじめとしたハートチームが一丸となって循環器疾患治療に臨む

地域医療、災害医療、離島・僻地医療に力を尽くす

卓越した技術と症例数で早期治療につなげる

 消化器がんの早期発見・治療にも重点を置き、消化器内科では上部・下部消化管スクリーニングを目的とした内視鏡検査に注力している。

 内視鏡検査・治療の実績は、年間1万9057件※3。尾野亘院長は離島・僻地の医療支援に力を入れる徳洲会の中にあって、自院に在籍する約30人の消化器内科医が順に離島に赴任する体制を整えて取り組んできた。鹿児島県や沖縄県を中心とした離島への応援も含めると、その実績は3万5685件※3に及ぶ。

 胃・食道・大腸などの消化器がんは、早期に発見できれば開腹手術をせず、内視鏡下で治療を行うことが可能だ。 内視鏡下で粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は高度な技術を要するが、開腹手術に比べ体への負担が少なく、早期回復も見込める。ESDは年間366件※3もの実績がある。

 消化器がんの中でも症状が出にくく、早期発見が難しい膵がんに対しても、超音波内視鏡(EUS)による検査と診断を積極的に行う。「当院は大阪府より『大阪府がん診療病院』の指定を受けています。『泉州地域から進行がんをなくす』という思いで、消化器内科のスタッフが一丸となって診療に取り組んでいます」と尾野院長は力強く語る。

  • 総勢約30名の医師が連携体制をとり治療にあたる

全力を捧げてなんとしても命を助ける

 24時間365日体制の救急医療にも力を注いでいる。救命救急センターでは軽症から重症まで、どのような症例に対しても決して断らず、速やかに対応している。

 大阪府は独自に開発した救急搬送支援システムORIONを用いており、救急隊がORIONアプリに、傷病者の病態などを入力すると、実施基準に基づいた適切な搬送先の医療機関がリストアップされ、システム的に受け入れ先を決定する仕組みを取っている。その中で21年の救急搬送受入数は、大阪府内で最多の8600件※4にのぼった。

 20年4月から「ラピッドレスポンスカー」の運用を開始し、心肺停止や意識障害、アナフィラキシーショック、重症外傷などの患者のもとに直接医師が駆けつけている。

 新・新館には岸和田市消防署の消防救急ワークステーションが併設され、24時間救急隊が常駐し、緊急連絡により出動する。ラピッドレスポンスカーと併せて、より迅速な救急対応が期待できる。

 「いかなる状況でも、なんとしても『助けられる命を助ける』ことが救命救急の使命です。普段の救急医療に注力しながら、災害医療も含めて岸和田市周辺、泉州地域の救急のレベルアップを目指していきます」と鍛冶有登救命救急センター長は熱意を込める。

 同院は大阪府災害拠点病院に指定されている。災害派遣医療チーム(DMAT)隊員が在籍しており、災害発生時は近隣の医療従事者が集い、災害地に向かう前線基地としての機能も担っている。

 常に患者の立場に立ち、患者のための良質な医療を追求し続け、更なる向上に真摯に取り組む岸和田徳洲会病院。多くの患者から信頼される理由が垣間見える。どこまでも患者目線。『病気を患った弱い立場にある人のために尽くす』信念を貫き、これからも患者の生活と健康を守っていく。

※1 2021年4月1日~2022年1月10日時点、※2 1985年9月~2020年12月、※3 2019年1月~12月、※4 2021年1月~12月

  取材・文/宮川由香

  • 要請を受ければすぐにドクターカーで出動できる体制を取っている

総長

東上 震一

ひがしうえ・しんいち●1980年、和歌山県立医科大学卒業。90年、岸和田徳洲会病院心臓血管外科部長、2006年より同院長。日本胸部外科学会・日本心臓血管外科学会認定心臓血管外科専門医。

院長

尾野 亘

おの・わたる●1995年、奈良県立医科大学卒業。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本医学放射線学会認定放射線科専門医。

救命救急センター長

鍜冶 有登

かじ・ありと●1980年、大阪市立大学卒業。日本救急医学会認定救急科専門医。

医療新聞社
編集部記者の目

岸和田徳洲会病院は1977年に徳洲会グループ3番目の病院として大阪府岸和田市に開院した。「絶対に病気にならない人はいない。誰しも罹患する可能性を持っている中で、自分が元気な間は病気を患い、弱っている人に対して精いっぱい尽くすべき。これが人間のありようで、そうあるべきだと信じて疑いません」との東上震一総長の言葉はグループの理念を体現されているようで非常に印象的だった。

Information

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岸和田徳洲会病院

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【診療科目】
内科、消化器内科、循環器内科、神経内科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、産婦人科、小児科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科口腔外科、放射線科、麻酔科(大前典昭、佐谷誠、高木治、土屋正彦、武貞博治)、病理診断科、リハビリテーション科

〒596-8522
大阪府岸和田市加守町4-27-1

TEL.072-445-9915(代表)
FAX.072-445-9791

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