大阪府八尾市を中心に中河内地域の〝最後の砦〟として重症救急を受け入れる八尾徳洲会総合病院。　

　「狭心症や心筋梗塞などカテーテルを用いたＰＣＩ（経皮的冠動脈形成術）から、慢性完全閉塞病変や末梢血管疾患まで幅広い心疾患治療を手がけています」と話すのは循環器内科部長・松尾浩志医師。同院では年間約1000件の血管内治療※を施行する。長年力を入れるのが慢性完全閉塞病変の治療。長期に閉塞した血管は硬くなり、石灰化した病変には特殊なカテーテルを用いて開通させるため、高い技術を要する。「術前診断し綿密な計画を立て、必要な治療でとどめるよう努めます。症例によってはバイパス手術を提案し、それぞれの患者さんに適した治療を提供します」と松尾医師は話す。

　末梢血管疾患のひとつ閉塞性動脈硬化症が引き起こす重症虚血肢では皮膚潰瘍や壊疽といった重篤な症状が生じるため、形成外科と連携し治療にあたる。

　2021年4月からは心臓血管外科と協働する心臓血管センターを開設。動脈瘤に対するステントグラフト治療も積極的に行い、ハイブリッド治療も提供する。「all for the patient」を合言葉に、同院は強い信念と情熱をもって患者に寄り添い続ける。

※PCI 約700件、末梢血管形成 約300件（2020年1～12月）