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一般財団法人 厚生会

仙台厚生病院

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東北全体の砦として地域医療を支える
杜の都の次世代型先進病院

新病院は病床全てを完全個室化

 仙台厚生病院は豊富な診療実績を生かし、最新治療の提供を続ける。仙台市はもとより、宮城県、東北全体の砦として、地域医療支援病院の役割を果たす。

 同院は2024年5月開院を目指し、新築移転する。

 「コンセプトは『杜の都の次世代型先進病院』。入院患者さんのプライベートにも配慮し、病床全て(409床)を完全個室化。入院患者と外来の患者の導線を分け、特殊な感染症用のアイソレート(隔離)室を設置し、感染症対策にも十分配慮します。治療スペースも大きく拡充し、将来の医療革新に対応する増築スペースまで確保。今まで以上に多くの患者さんの期待に応えられる医療機関を目指します」と畑正樹院長は、さらなる飛躍を誓う。

 救急車の停留位置も屋外から、シャッター付の屋内スペースに変わり、患者を雨風に当てずに受け入れられる。救急搬送用ヘリポート、集中治療室26床、再生可能エネルギーを活用した地上9階建ての病棟など延べ床総面積は約4万6300平方メートル(現施設の1.6倍)と多くの面でアップデートする。

「選択と集中」がもたらす充実する医師の働き方

 設備面とともに同院が重視するのが人的資源だ。

 「2024年、医師の働き方改革がはじまります。当院は以前から働きやすい環境を整えてきました。『医師の長時間労働は当たり前』という風潮がありますが、医師の前に一人の人間。『選択と集中』という指針に従い、診療科目を循環器、呼吸器、消化器の3領域に特化し、そこにマンパワーを集中させています。医師やスタッフに余裕のある交代制で、休息や労働時間にも気を配っています。またコメディカルのみなさんの協力で、医師の雑務を極力減らし、自分の仕事に集中できるようフォローしています」と医師にとっても働きやすい環境をつくった。

 研修医が短期間で最低限の技量を習得できるよう医学教育支援室によるサポートを実施する。診療実績や充実した設備、働き方に魅力を感じ、仙台厚生病院には熟練した医師から若手医師まで多くの人材が集っている。

取材・文/五十嵐幸司

心臓血管センター

内科と外科が連携し、一刻を争う心疾患に365日24時間対応

循環器内科では急性心筋梗塞治療を積極的に実施し、先進的なカテーテル治療を採用。
心臓血管外科はハイブリッド手術室を設置し、大動脈瘤へのステントグラフトの他、
切開を抑えたMICS(右小開胸弁手術)などを施行する。



循環器内科医長
遠田佑介
「心臓弁膜症では、年齢や併存症で外科手術を諦めざるを得ない人にもカテーテル治療(TAVI、経皮的僧帽弁クリップ術)が可能です。質の高い医療を提供します」


循環器内科主任医長 
山下賢之介
「専属の臨床工学技士と協力しながら、3Dマッピングシステムを3種類駆使し、個々の患者さんに応じて適切な不整脈治療を提供しています」


心臓血管外科部長 
早津幸弘
「内科と外科が連携し、患者さんの状態、年齢を踏まえ、体の負担が少なくなる最善の治療を常に心がけています」


  • 大動脈瘤に対するステントグラフト手術

呼吸器センター

肺がんから間質性肺炎など、さまざまな呼吸疾患に対し質の高い医療を提供

進歩が著しい肺がんの薬物治療。
呼吸器内科では積極的に治験や臨床試験に参加することで、分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬などの薬剤を早くから導入し、治療に活用する。
肺がん手術の場合、呼吸器外科は侵襲を抑えるため、肺葉切除やリンパ節郭清、肺の部分切除を含め、ほとんどの症例を完全胸腔鏡下手術で行う。



呼吸器内科主任医長 
戸井之裕
「臨床だけでなく教育、研究にも精力的に取り組んでいます。それが治療に関してもよい循環を生んでいます。診察時は平易な言葉を使い、わかりやすい説明を心がけています」


呼吸器外科医師 
松野将宏
「呼吸器内科と連携し、術前に化学療法などで病巣を小さくして肺がん手術を行うことがあります。病巣が小さくなった分、手術難度が高くなりますが、十分に経験を積んだ医師が、高い技術で肺の機能温存に努めます」

消化器センター

食道・胃・大腸から肝胆膵まで消化器疾患を網羅

消化器内科は超拡大内視鏡や超音波内視鏡など、最新機器を用いた消化器疾患の診断から、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などで早期がん治療に貢献する。
消化器外科は内科と連携し、上・下部の消化器がんから肝胆膵がんまで、広い範囲の外科治療を提供。
肝疾患に特化する肝臓内科は肝炎から肝がんまで、どんなステージにも対応する。



消化器内科部長 
奥薗徹
「急性胆のう炎で手術ができないような難症例に対し、超音波内視鏡で十二指腸と胆のうを直接つなぐ特殊なドレナージ治療(EUS-GBD)という新たな治療法にも積極的に取り組んでいます」


消化器センター肝臓内科科長
肝腫瘍治療センター長 
近藤泰輝
「肝がんにはカテーテル治療やラジオ波焼灼術、薬物療法を適切に使い分けています。他院では治療が難しいと断られた症例でも、何か手を施す方法を考えます。あきらめずに受診ください」


消化器外科医長 
佐藤護
「根治性の追求とリスク・体の負担軽減を目指し、腹腔鏡下手術を中心に据えています。難度の高い手術も多いですが、患者さんへ丁寧な説明をし、ご理解いただいたうえで治療をしています」

  • カテーテル治療を行う諸沢医師(左)と近藤医師(右)。

院長
心臓血管外科科長

畑 正樹

はた・まさき●1986年、東北大学医学部卒業。岩手県立大船渡病院、東北大学病院、ウィスコンシン州立大学、青森県立中央病院などを経て、仙台厚生病院に赴任。2021年より現職。

医療新聞社
編集部記者の目

2024年、仙台厚生病院は「杜の都の次世代型先進病院」をコンセプトに新築移転し、船出する。そこで乗組員となる医師10名に取材した。専門領域もキャラクターも異なる医師たちに共通点がひとつ。「手術数が多く、経験を積める」というポジティブな意見ばかりで、全員から充実感がみなぎっていた。「循環器」「呼吸器」「消化器」に特化し、東北の地域医療を支えてきた同院のさらなる活躍が期待される。

Information

一般財団法人 厚生会

仙台厚生病院

ホームページ

【診療科目】循環器内科、心臓血管外科、消化器内科、消化器外科、呼吸器内科、呼吸器外科、肝臓内科、放射線科、麻酔科(内田寛昭)、病理診断・臨床検査科、糖尿病代謝内科集中治療センター

【受付時間】8:30~11:00(急患は随時受付)

【休診日】土・日・祝

【病床数】409床


〒980-0873
宮城県仙台市青葉区広瀬町4-15
TEL.022-222-6181

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