大手町さくらクリニック in豊洲

東京都

医療法人社団 TIK

大手町さくらクリニック in豊洲

動画あり

最新装置による併用検診で
乳がんの早期発見を目指す

重要度高まる超音波検査に最新の診断装置を導入

　有楽町線・豊洲駅直結のビル内に位置する、大手町さくらクリニックin 豊洲。幅広い種類の検診やワクチン接種を提供しており、中でもマンモグラフィと超音波検査を併用した乳がん検診に力を注ぐ。

　「従来、超音波での乳がん検診は高濃度乳房のためにマンモグラフィでは病変が見つけづらい若い女性に推奨されてきました。しかし、2007年に厚生労働省が立ち上げたJ-STARTという研究の第2弾の報告で『乳腺濃度に関らず、マンモグラフィで検出できない乳がんがあるが、超音波検査の追加により検出できるようになる』とわかりました」と西山寿子院長は語る。

　年齢を問わず、ますます重要度が高まる超音波検査。同院では技師が操作するハンドヘルド超音波装置だけでなく、乳房用自動超音波画像診断装置を導入した。その大きな特徴は自動で撮影を行う点。ハンドヘルドのように技師の技術に左右されることなく、画像撮影が可能となった。また一断面で観察するハンドヘルドと異なり、全乳房の3D画像を保存し、一画面に複数の断面を表示して、乳房内に異常がないかを観察できることも特徴だ。

乳房用自動超音波画像診断装置

受診者を第一に考え配慮が行き届いた検診

　併用検診では先行してマンモグラフィの読影を行い、疑わしい部位を重点的に超音波検査で確認し、両方の結果から総合判定を行う同時併用が望ましい。この場合、検診にかかる時間が読みづらく、両方の検査を別日に実施するケースもある。

　乳房用自動超音波画像診断装置を選択すれば、どこに病変があったとしても、後から保存した3D画像を用いて全体を確認しながら読影を行えるため、マンモグラフィと超音波検査の両方を同日に実施してから、医師が読影と総合判定を行うことができる。日々忙しい受診者にとっては大きなメリットといえる。

　それでも血流のある部分に色をつけるカラードプラや、組織の弾性を色分けして表示するエラストグラフィを確認する必要がある場合、ハンドヘルドが推奨される。同院では自費で乳がん検診を受ける場合、どちらの装置による超音波検査であっても同額（税込5500円）で実施しており、受診者は医師の説明のもと、より自分に適した装置を選ぶことができる。

　また自動撮影は技師が受診者の体に触れることなく実施できるため、肌を触られることに抵抗のある方でも受けやすいというメリットもある。ただ、ハンドヘルドの場合でも同院ではすべての超音波検査を女性の技師が担当している。

　さらに22年1月には最新型の乳房用自動超音波画像診断装置を導入。より高精度な画像が撮影可能となった。受診者を第一に考え、新しい技術を積極的に取り入れている。

2016年から2021年で、同院の乳がん検診での超音波検査において乳房用自動超音波画像診断装置が占める比率が14％から69％に上昇した

疑わしい検査結果にはスピード感をもって対応

　読影は連携する昭和大学江東豊洲病院（以下、江東豊洲病院）の乳腺外科の医師が行い、精密検査が必要な場合は2週間以内に受診者を江東豊洲病院に紹介し、精密検査を受けてもらう体制を整えている。また江東豊洲病院では土日にも乳腺外科の診察を予約することができる。

　その結果、継続して何年も検診に通う受診者も多い。「継続して受けていただくことで、わずかな所見の変化にも気づくことができ乳がんの早期発見につながります。子宮頸がん検診と併用される20代の方から、ご家族が乳がんになったからと90代で通われている方まで、年齢も幅広いです」と西山院長。

　高精度な乳がん検診を提供し、万が一のときには素早く対応することで、あらぬ不安を抱かせない。これからも女性たちの健康を守るために邁進する。

　　取材・文／高橋美森

待ち時間に、検査や疾患の情報をロボットが教えてくれる

院長

西山寿子

にしやま・としこ●埼玉医科大学卒業、同大学循環器内科勤務。2007年に大手町さくらクリニックを開設、現職に至る。

医療新聞社
編集部記者の目

　産業医も務める西山寿子院長のもと、幅広い検診を受けることができる大手町さくらクリニックin豊洲。とりわけ力を入れる乳がん検診では検診の精度に関する最新の研究結果も取り入れ、マンモグラフィーと超音波検査の併用検診を実施している。超音波検査では従来のハンドヘルドエコーと最新の乳房用自動超音波画像診断装置（ABUS）を選択することができ、受診者を第一に考えて検診を実施している。

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