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医療法人社団松和会

池上総合病院

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肺がんの早期発見・早期治療を目指し
地域住民の健康寿命を守る

患者にとって適切な負担が少ない手術を実施

 東急池上線池上駅北口を出ると、すぐに池上総合病院が目に飛び込んでくる。所在地である大田区の土地柄から80歳以上の高齢患者が多い。呼吸器外科では肺がんから転倒での肋骨骨折による血胸まで、幅広く患者を診ている。

 とりわけ呼吸器外科が目標に掲げるのが肺がんの早期発見・早期治療だ。「当科では胸腔鏡手術(VATS)に力を入れています。中でもカメラや手術器具を挿入する創を2カ所に開ける、1 window & 1 port 法や二窓法を実施しているのが特徴です」と呼吸器外科科長の中村雄介医師は語る。標準治療である肺葉切除や肺門・縦隔リンパ節郭清術などの術式に、VATSで対応する。

 1 window & 1 port 法では3㌢の創から手術器具を、6㍉の創から5㍉のカメラを挿入し、二窓法では2カ所の3㌢の創から手術を行う。2カ所のみの切開で済むのが、3~4カ所の創が必要なマルチポートVATSとの相違点だ。高齢患者にとっても負担が少なく、早期回復が期待できる。

 またカメラと手術器具を同じポートから挿入する単孔式VATSと比べても、2カ所創がある分、術中に視野をとりやすいメリットがある。

 この2つのVATSは後側方切開という開胸手術における創を狭めて、胸腔鏡下で実施するもの。患者の術中の状態から緊急時などには医師の判断で切開する長さを広げ、1 window & 1 port 法から二窓法へ、二窓法から後側方切開の開胸手術へと、即座に術式を切り替えることも可能だ。

 また肺がんの早期発見のために重要となるのがCTなどを使った検診だ。同院は日本医療研究開発機構(AMED)による低線量CT検診の臨床研究にも参加しており、50~70歳の被験者は無料で検診を受けることができる。

 これからも地域住民が健康に生活できるよう貢献していく。

取材・文/高橋美森

呼吸器外科科長

中村 雄介

なかむら・ゆうすけ●医学博士。日本呼吸器外科学会認定呼吸器外科専門医・評議員、日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医・評議員など。

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編集部記者の目

 大田区で地域に愛され、29年の歴史を刻んだ池上総合病院。東急池上線の池上駅北口からのアクセスは抜群で、多くの地域住民が受診するのも頷ける。呼吸器外科では救急搬送されてくる転倒での肋骨骨折による血胸から、胸腔鏡下での低侵襲な肺がん手術まで幅広く対応。日本医療開発機構(AMED)による低線量CT検診の臨床研究に参加するなど、がんの早期発見にも力を入れる。地域にとって頼りになる医療機関だ。

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