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湘南鎌倉総合病院

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「弱者を置き去りにしない医療」を掲げ
肝胆膵領域 のエキスパートが先進的な質の高い医療を提供

 湘南地域の基幹病院として発展を続ける湘南鎌倉総合病院。小林修三院長が提唱する「弱者を置き去りにしない医療」をスローガンに掲げ、「地域医療の核」としての役割を果たしている。

 それとともに、カテーテル治療、ロボット支援手術、心臓手術、内視鏡的外科手術、トモセラピー・陽子線といった高精度放射線治療、さらには臓器移植、再生医療など新しい医療を提供できる病院として確固たる地位を築いている。

 質の高い医療を担保するのは各分野のトップクラスのドクター陣。広く名前の知られた名医も多く、臨床・研究の傍ら後進の育成にも余念がない。

 今回は同院の看板のひとつである肝胆膵外科を訪問。肝胆膵チームを率いる肝胆膵外科部長の川原敏靖医師に話を伺った。

川原医師は順天堂大学を卒業後、米国ハーバード大学に留学、帰国し母校で腕を磨いた後、カナダのアルバータ大学病院に肝胆膵移植外科医として6年半勤務。米国移植外科学会が認定する正式なプログラムのもと、難易度の高い外科手術を数多く行い、手技を培った。国内でも日本肝胆膵外科学会が認定する実践的トレーニングを積み、肝胆膵領域のエキスパートとして知られる。

膵臓がんの早期発見のため最新の機器・検査法を駆使

 肝胆膵領域のがんは症状が出にくく、発見が遅れてしまうこともしばしば。同院はPET︲CT、MRI、CTなどの診断能力の高い医療機器を備え、検査結果を総合的に判断して、肝臓がん、膵臓がんの早期発見や治療方針の決定に役立てている。

「日本人の膵臓がんによる死亡数は年々増加傾向にあり、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4番目。がん全体の5年生存率が64・1%であるのに対し、膵臓がんはわずか8・5%。その悪性度の高さをご理解いただけると思います」

 と川原医師は語る。ステージⅠの段階で、目に見えない遠隔転移(他の臓器への転移)を起こしているケースも少なくない。それゆえ、他のがん以上に膵臓がんの早期発見が重要視される。

同院では膵臓がんの早期リスク判定検査として「エクソソームを使った消化器がんの早期リスクの判定検査」(自費診療※)を実施している。画像などでは見つけにくい膵臓がんのリスクを血液検査で判定できる新しい検査法で、膵臓がん細胞から分泌される血液中のエクソソームにある独自のマーカーを測定し、罹患リスクを判定。膵臓がんの高リスク(健常人と比べて高い)患者を同定し、早期発見に役立てている。

腹腔鏡やロボット支援など低侵襲手術に力を入れる

 肝臓がん、膵臓がんともに、治療の第一選択は手術。ただし、長時間に及ぶ難易度の高い手術で、術後の合併症などリスクも大きい。医師・医療機関選びは慎重に行う必要がある。 同院は腹腔鏡手術やロボット支援手術などの低侵襲手術に力を入れる。手術による傷が小さく、痛みもかなり軽減され、術後の回復も早い。

 ロボット支援下肝臓切除は2022年に保険適用となったが、川原医師は、それ以前から手掛けてきた。さらにはロボット支援下膵体尾部切除、ロボット支援下肝切除を導入すべく、準備を進めている。

「当院では『肝胆膵外科』が外科の中に独立して存在しており、肝胆膵外科のエキスパートがスペシャリティの高い外科治療を提供しています。ただし、手術一辺倒ではありません。手術適応を厳格に判断し、陽子線治療、放射線治療、薬物治療、内科的治療など、さまざまな選択肢も考慮に入れて治療方針を決定しています。いずれの治療法を採用しても院内だけで完結させることができます」

先端医療センターには国内では数少ない陽子線治療施設も

 同院先端医療センターは陽子線治療施設を有している。国内にある19施設のひとつだ。肝胆膵領域では2022年から、4cm以上の肝細胞がん、肝内胆管がん、局所進行性膵がんなどが陽子線治療の保険適用になり、選択肢のひとつとして手術が困難な患者に検討できるようになった。

「化学療法などをまず行い、腫瘍を小さくしてから手術を行うべきなのかなど、さまざまな可能性を考慮し、患者さんの病状に最も適した、治療の選択肢を提供できるのが当院の大きな強みです」

 と川原医師は力強く締めくくった。

肝胆膵外科部長
ロボット手術・
臓器移植センター副センター長

川原 敏靖

かわはら・としやす。順天堂大学医学部卒業。ハーバード大学に3年間留学した後、アルバータ大学病院(カナダ)で6年半の長期間、肝胆膵移植外科医として技術を磨いた。医学博士。日本外科学会認定外科専門医。日本肝臓学会認定肝臓専門医。日本消化器病学会認定消化器病専門医。日本消化器外科学会認定消化器外科専門医。

医療新聞社
編集部記者の目

湘南鎌倉総合病院は神奈川・湘南地域の基幹病院。「地域医療の核」として多数の診療科・センターを有し、広く一般市民に開かれた病院として地域に愛され、信頼される病院として歴史を刻んできた。あわせて最先端の高度医療を実践する「最後の砦」として、ロボット手術、心臓手術、内視鏡手術、トモセラピー・陽子線といった高精度放射線治療、さらに臓器移植、再生医療など次世代の治療を提供、高い評価を得ている。

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火・木・金 9:00~12:00

川原敏靖医師 診察時間
火 9:00~12:00

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