- 大阪府
医療法人 桜希会
東朋八尾病院
- 動画あり
チーム医療体制の構築と手術支援ロボットの導入で
負担の少ない人工関節置換術を提供
高度かつ低侵襲な手術で地域医療に貢献
近鉄八尾駅から少し歩くと、東朋八尾病院が見えてくる。その整形外科に大きな変化が起きている。2019年には40件※1だった人工膝関節置換術が、2020年には116件※2、2021年には150件※3と大幅に増加したのだ。
「当院では60歳から最高齢だと101歳まで、幅広い世代に実施しています」と語るのは2020年に着任した奥田院長だ。
同院の人工関節置換術の特徴はスピードだ。膝関節の場合は片膝で30分前後、両膝だと1時間程度で完了する。短時間であるほど麻酔の量や感染リスクも減り、患者の負担は軽減する。手術室看護師にパターン化した工程を共有することで、スピードアップにつながった。
人工股関節置換術では側臥位から上方侵入で6~8㌢の切開という低侵襲な術式を採用。3Dプランニング術前計画も活用し精度を向上させる。
また膝・股関節ともにセメントレスのインプラントを使用する点も特徴だ。手術時間を短縮できるだけではなく、耐用年数の延伸も期待できる。
2021年10月には手術支援ロボットを導入。府内でも導入事例は数少なく、八尾市だけでなく府内全域や他県からも患者が訪れる。「ロボティックアームによって、非常に正確に骨を切ることが可能です」と奥田院長は話す。慢性疼痛や膝への再生医療※4も開始し、治療の選択肢も幅広い。
リハビリにも力を入れる。患者の機能回復を重視し、10日~3週間の入院期間で階段の昇降が可能になるよう綿密に行う。奥田院長自ら、理学療法士に人工関節置換術を受けた患者の特徴を教えている。
多職種とも連携したチーム医療を大切にし、その姿を変えていく同院から目が離せない。
取材・文/高橋美森
※1 2019年1月~12月 ※2 2020年1月~12月 ※3 2021年1月~12月 ※4 自由診療(すべて税込) 慢性疼痛143万円〜 両膝176万円〜 片膝110万円〜
- 整形外科の手術スタッフたちと手術支援ロボット
- 人工膝関節置換術で活躍する手術支援ロボット
院長・人工関節センター長
奥田 真義
おくだ・まさよし●1997年、奈良県立医科大学卒業。八尾総合病院、ドイツ留学などを経て現職。医学博士。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
医療新聞社
編集部記者の目
この2年間で人工関節置換術の手術件数を大きく伸ばし、2021年には整形外科領域の手術支援ロボットであるMakoも導入するなど、人工関節置換術に力を注ぐ東朋八尾病院。その変化をリードする2020年着任の奥田真義院長の、ドイツや日本各地の病院に研修に行ったというエピソードから、患者を思うがゆえの向上心が伝わってきた。手術室スタッフやリハビリスタッフと話す様子からも、チームワークのよさが伺えた。
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