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慶應義塾大学病院

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再生医療をはじめ先端医療に取り組む
ひざ関節のプロフェッショナルチーム

ひざのスペシャリストが高度な治療を実践

 JR信濃町駅前に位置する慶應義塾大学病院の整形外科では、下肢、上肢、脊椎・脊髄など各部位に特化した班に分かれて、高度医療を提供している。

 中でも下肢班は、ひざ関節と股関節、足関節の各班へと細分化される。ひざ関節の治療を行う、准教授で下肢(膝)班チーフを務める二木康夫医師は「膝班では、ひざに特化した医療を提供しています。ひとりの医師が変形性膝関節症の人工関節置換術から、前十字靱帯の鏡視下再建手術まで、疾患も治療法も幅広く対応できるよう研鑽と実績を積んできました」と、その特色を語る。

再生医療やロボットなど新たな治療法にも挑む

 同院は臨床研究中核病院に指定されており、治験の経験も豊富。再生医療や人工関節置換術でのロボット支援システムなど、先進的な技術も積極的に導入している。

 特に再生医療のひとつである自家培養軟骨移植手術は多くの症例を手掛ける。患者自身のひざ軟骨を採取して培養し、軟骨の欠損部に移植する治療法で、自分の細胞で関節軟骨の再生ができる。

 「ひざは荷重がかかりますから、軟骨が損傷しやすい。移植をしても負荷がかかり、移植部が剥離するケースがみられることも。それを防ぐために骨切り術を併用したり、骨膜をきれいに縫い込んだりするなど、丁寧な手術を心掛けています」と二木医師。

 2013年に保険収載された当時から、同院ではこの手術を実施している。

「ヒアルロン酸注射などの保存療法と外科的手術の間に位置する治療法といえます。まだ新しい治療法ですので、ぜひ自家培養軟骨移植手術のことを知っていただき、さまざまな治療の選択と可能性を検討されてみてはいかがでしょうか」と二木医師は呼び掛ける。

慶應義塾大学病院 整形外科 准教授

二木 康夫

専任講師

小林 秀

専任講師

原藤 健吾

医療新聞社
編集部記者の目

 慶應義塾大学病院整形外科で膝班のチーフを務める二木康夫医師は、骨切り術から人工関節置換術、さらには再生医療まで対応する、ひざ疾患のスペシャリスト。なかでも再生医療である自家培養軟骨移植術については日本で保険収載された当時から実施しており、現在も治験に携わるなどパイオニアのひとりだ。今後、二木医師たちが尽力する研究の成果によって自家培養軟骨移植術の対象となる疾患の範囲が広がり、多くの患者が自分の膝を残した状態で痛みなく生活できるようになることを願う。

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